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街と電話ボックス

公衆電話、使ったことありますか?

おそらく50代以上の方は「普通に使ってたよ〜」って感じだと思うのですが(私ももちろん使ってました)、もう少し下の世代になるとどうなんでしょう?

携帯があるから全く使ったことがない、という方のほうが多くなるのかな?

とにかく携帯電話の普及によって公衆電話はその役割りを終え、どんどん設置台数が少なくなっているのは周知の事実ですよね。

昔は公衆電話って歌の歌詞にもよく出てきたりして、いろんな人間ドラマが生まれる場所みたいに思われている部分があったんですけど、それももう過去の話だと思うとちょっぴり寂しい気もします。


歌詞に公衆電話が出てくる歌で最初に頭に浮かんだ、森高千里の『渡良瀬橋』。


そんな公衆電話なのですが、実はウチの近所にはまだ現役の電話ボックスがあるのです。

しかも50mほど間隔をあけて2箇所も!

これちょっと珍しいんじゃないかなぁと思うのですが、どうでしょうか。

この場所に電話ボックスがある事は、もちろん以前から認識はしていました。

でも言うなれば道沿いの街路樹と同じ感覚というか、あまりにも街の風景に溶け込み過ぎていて特に何の感情も抱く事はありませんでした。

ですが最近、再就職をして夜勤の時間帯で働くようになってから、深夜に車を運転して帰って来る時に見る電話ボックスは、昼間とは違う存在感があるのに気付きました。

人気のない真っ暗な道に煌々と明かりを灯した電話ボックスが見えて来ると、なんだか心強くホッとするのです。

まるで「おかえり!お疲れ様!」って言ってもらっている様な気さえします。

暗闇を照らす電話ボックスには、ひょっとすると防犯の役割もあるのかも知れないな〜なんて感じています。

で、ある時ふと、この電話ボックスに入ってみようかと思い立ちました。

懐かしの電話ボックスで感傷に浸りたいとかそういう事では全然なくて、これは全くの興味本位で。

そして今週の休日の昼間に、実行してみました!

入る時は、ちょっぴりドキドキ。

人通りが無いのを見計らってササッと侵入(笑)

画面に「ご利用できます」の文字。

中は、記憶のままの電話ボックスでした。

電話の横に、そう古くないミュージカル講演のチラシが置かれていて、私以外にもこの電話ボックスに出入りしてる人がいるんだなぁと少し意外に思いました。

で、せっかくなので電話をかけてみる事にしました。テレフォンカードはとっくに持たなくなっているので硬貨で。

どこに電話しようかと考えましたが、何の用事も無いのに電話をかける相手が思い浮かばず結局自分の携帯へ(笑)

当然ですが、ちゃんとかかりました!

携帯の着信履歴を見ると相手先は「不明」となっていて、もちろん電話番号は表示されていませんでした。

          *

総務省のHPによると、平成14年から令和2年までの18年間で公衆電話は実に1/4にまで減っているそうです。

一般公衆電話は、ユニバーサルサービス制度が開始された2002年度(平成14年度)末では、NTT東日本・西日本合計で約58.4万台が設置されていましたが、2020年度(令和2年度)末時点では約14.6万台となり、18年間で約43.9万台もの台数が削減されました。

総務省HPより

ちなみに1台あたりの通信回数についても、平成14年度には約2,000回あったものが、令和2年度には約200回まで減少しているそうです。

そして今後も、公衆電話は地域の実情に配慮しつつ随時撤去が進められていくとありました。

という事はウチの近所の電話ボックスも、そう遠くない未来に無くなってしまう運命かもしれません。

それは時代の流れで、しょうがない事だと思います。

でもここにある限りどうか私の住む街を見守っていてくださいね。

今は、そんな気持ちです。

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