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姿勢は大事。

今の職場に、どこかしら身体に痛みをかかえていない人はいないんじゃないだろうか。

そう思わされるくらい、常に誰かが「ここが痛い」「あそこが痛い」と話している。そして実際現場では、つらそうな様子の人(腰をさすりながらフーッと深いため息をついたり)をよく見かける。

長時間の立ち仕事(その間ずっと下を向いて手を動かしている)は、身体への負担が大きい。それは間違いないと思う。

以前整形外科のリハビリ室で働いていた私は、つい人の姿勢や歩き方などに目がいってしまう。

この人は「反り腰」だから腰に負担がかかっていそうだなぁとか、この人は歩く時にずいぶん骨盤が傾いているけどおしりの筋肉が弱いのかなぁなどと見ていて思ったりする。それをわざわざ相手に言ったりしないけれど、「反り腰」の人は少し前に大きなギックリ腰をやって一週間ほど仕事を休んでいた。やはり姿勢は大事だ。

ーなんて色々偉そうに書いているが、実は私自身、去年の今頃は酷い首の痛みに悩まされていた。(ダメじゃん)

ずっと下を向いたまま作業を行うという事は、ボーリングの玉くらい重さのある頭を何時間も細い首で支えている状態である。それが毎日続いた結果、ものの見事に首が壊れた。

当初はどの方向に首を動かしても痛かった。特に痛みを感じたのは朝ベッドから起き上がる時。横向きになって上半身を起こそうとすると「痛ててて……」となる。その時に(なるほど、こんな動作でも首の筋肉が使われているんだな)と妙に納得したのを覚えている。

痛みと同じくらい悩まされたのは、首の鳴る音だった。少し動かしただけでバキバキ、ボキボキ首の骨が砕けるんじゃないかっていうくらい(砕けないけど)大きな音がした。

なんとか自分でケアしようと原因と考えられる筋肉をほぐしてみたり、歪みの調整をしたりするのだが、一時的に良くなっても作業をするとまた元に戻ってしまう。

これはもう職業病だと半ば諦めていた矢先、ほんの僅かだが症状が軽くなっているのに気が付いた。

最初は気のせいかとも思ったが、日を追うごとに確実に痛みは軽減し、不快な音もしなくなっている。特別な事は何もしていないのに不思議だった。

いや、ちょっと待てよ。

そう言えば、症状が改善する少し前にやり始めた事が一つだけある。ひょっとするとそれが、首をいい方向に向かわせたのかも知れない。

そのやり始めた事とは、「正しい姿勢で身体を動かす事」であった。

元々私は「ゆる筋トレ」と称して軽い筋トレを行なっていて、首の痛みが出てからも無理をしない程度に続けていた。

筋トレのメニューの中に、椅子に座って膝の曲げ伸ばしなどを行うという簡単な運動があり、この時に少しだけ工夫を加えていたのだ。

その工夫とは、椅子に座って普通に両腕を下ろすと手のひらは内側(太腿の方)に向くが、その手のひらをクルッと外側に向けて座るようにしたのだ。

そうすると自然に背筋が伸び、顔は真っ直ぐ前を向き、胸を張った姿勢になる。

それまでも正しい姿勢は意識していたが、この方が楽に、より良い姿勢をとる事ができる。その状態でいつもと同じ動きをした。ただそれだけである。

これがなぜ症状の改善に繋がったのか。

これはもう憶測の域を出ないし自分以外に効果はないのかも知れないけれど、正しい姿勢で下肢を動かす事によって、骨盤とそれに続く腰椎、胸椎、頚椎といった脊柱が上手く矯正されたのではないか、と私は考えている。

とにかく今は去年が状態が嘘のように、痛みも不快な音も全くない。

もちろん同じやり方でずっとトレーニングは続けている。

このような経験をすると、やはり姿勢って大事だなぁと改めて思うのである。

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