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ブリリアン・カット・エヴァ・チェンジング・ムーヴ・イェーイ!!

そこはトランプ♠カードの軍隊が市街地にキレイに隊列、整列を組み、その図形が街全体に大きく広がっていました。
そのトランプ達の群れは様々な美的な抽象的
な紋様を描き続けていました。
そこは、トランプの兵隊達、そしてそれに助言をし操る魔女のようなタロットカードにより支配され統合された、大都市だったのです

その土地の地中に、一匹の子どものカゲが潜んでおりました。
カゲは自分の身体に染みつくヤミ、影を恥じておりました。

そんな時、地中から一匹のヒカリが産まれました。うんぎゃー! と、叫び光り輝きながら飛び出して来ました。彼は生まれながらの天真爛漫な光り輝くココロの体現者だったのです。

カゲは、急なことで心臓が停まるかと思う程
、ビックリ仰天し腰が抜けてしまいました。

そして、そんなことはトランプの兵隊に、自らの託言、予言書を託するタロットの魔女達が許す筈もありません。世界、魔術師、女帝達が。アッという間にトランプ兵達は正方形の隊列を組み、飛び出して来たヒカリを、囲み込み、直ぐにではなくともジワリジワリジワリジワリと、時間軸の方面でもヒカリを、機械的様式美的に追い詰めていくのでした。

一切のスキ、ムダ、モレ、ハズレ、ズレ、ハミダシ、アナ、ミダレ、バランス等々をトランプ兵達は見逃しません。というか見逃す余裕すら発生しないのです。

ヒカリはビビリました。何しろ産まれたばかりなので。それ以上に世界というものを全く知らないので。

トランプ兵達は自身の意志を持ちません。今度は市街地一帯に巨大な五芒星、星形の隊列をくみ正方形の隊列を組んだりして、圧迫しながら追い詰めていきます。
トランプ達は兵隊同士で組体操を組み建て、
逃げ道を一切造らず鉄壁の壁を構築しビクともしません。

複雑な市街地の裏通り、隠し扉の向こう、路地裏、マンホールの蓋を開けて、下水の中に逃げようと……ヒカリは………。

管理社会は甘くありません。逃げ道が見当たらないのです。トランプ達に精神的にも追い詰められて……

地下からじーっと見過ごし続けたカゲは、見かねて、地下の中の闇の底にヒカリの右足を
掴み引き込んで助けてやりました。

ヒカリは明るいだけ、ヤミは自らが陰気で引っ込み思案で、未来など思い描けない性格だと、地下少し行ったところのメタンガス臭い暗がりで、ふたりともまだ子供なので、他愛も無くその事を語り合いました。

地上ではトランプ軍隊がタロット予言者の悪辣な予言、進言によりペルシア絨毯の様な美しく豊饒で繊細な軍隊のフォーム・フォーメーションをちゃっかり用意し待機していた。

ヤミは言いました。「オマエ、ココからどうやって逃げ出す寸法なんだよ?」

ヒカリは「とにかく、この街の管理社会がイヤ。何とかして、頭を使ってトランプ達の圧力をくぐり抜けるつもりだよ。」

ヤミは「そう簡単に行くもんかねぇ?」

ヒカリ「ボクは光り輝く光!自然とそうなるもんだよ!!」

トランプ達の軍隊は現代の我々が日々直面している管理化されたゲームみたいな現実社会
を思わせます。そこで生きて行く今の我々は、やがてはピカソ、ジョアン・ミロ等の後期絵画、2、3歳児の描く子どもの落書きの様な馬鹿げた絵柄の住人の様なパッパラパーのバカになっていくのでしょう。

文明は発展し、やがては膨張しバカバカしくいギャグマンガ、4コマ漫画の様に無意味化し拡大し、やがてそれは消滅していくのでしょう。

ヒカリは夜になるのを待っていました。
夜になると不思議にもこの都市の灯りが何故か不用意にも警戒感からか薄れ、幾つかのスキがうまれるのです。

ですがヒカリは光……夜の闇で自らの体の光を弱めても、どうしても目立ってしまう。
   
    どうするか………………………?

いいアイデアがふと、思い立ちました。光を弱めてトランプの兵士の仮装をし化けて変装しながら逃げだせば………………

思い立ったが即行動!!ヒカリはさっそくトランプの仮装をし化けて夜の闇に溶け込み、トランプの群れに紛れ込みました。ヤミは地中の中からヒカリの行く末をほんの少し心配しました。

作戦は思いのほか上手く行き………ですが、途中で、そう上手くいくわけもなくトランプの仮装から漏れ出す微かな光に、トランプの軍隊長に見抜かれてしまい、バレてしまいました。

トランプの兵隊、スペード、ダイヤ、クローバーの王様、キング達がひし形の隊列を組み
ヒカリを追い詰めようとしていきます。じょじょにじょじょにじょじょにじょじょにじょじょにじょじょにじょじょにじょじょにじょじょにじょじょにじょじょにじょじょにじょじょにじょじょにじょじょにじょじょにじょじょにじょじょにじょじょにじょじょにじょじょにじょじょに…………追い詰められて、逃げ場がなくなりました。そしてヒカリは、トランプの仮装を脱ぎ捨てて、ジャンプして思い切り光り輝きました。

その光に気づいた地下の少し下から覗いていたヤミは、素早く移動してヒカリの足を掴んで思い切りヒカリを放り上げ、投げ飛ばしたのです。

身の軽いヒカリは夜空を流れ星のように光り輝きながらストーンと横断し、アッという間にこのトランプの大都市を抜け出ることにまんまと成功したのでした。

ですが、ヤミは泣き出しました。地下の底で
オーイオーイと…………。

ヒカリ! オメェが居なくなったら影のオイラはどうやって生きて行けばいいんだよーー
ーーーー!!地下深くでオイラは自分の陰気な影と向かい合って永遠に行き続けるのかよ
ーーーー!!

光があって闇がある。ヤミは生まれて初めてそのことに気付いてしまったのです。遅れ馳せながら。トランプ達の足もとの石畳の地下深くで、ヤミは地中の中で永遠に泣き続ける事となってしまったのでした。
もの悲しいことに………………なおも。

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