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「〇〇さん、子どもが学校休みたいって言ったら大丈夫?」って優しさで言えますか?

  「〇〇さん、子どもが学校休みたいって言ったら大丈夫?」って言えますか?
 と一緒に働いている人が別の同僚に話しかけていたので、隣にいた私までそっと答えを待っていました。

「え?どうしたの?何?今日行かないの?」

私だって昨日、長男にそう言ったばかりだったからです。
「今日はなぁー(行きたくない)」
と習い事を渋る長男に
「行きなさいよ!」
と内心思い、すぐには「大丈夫?」なんて言葉を掛けてあげられなかった。習い事に行っている間、少しは静かに過ごせるし、始めたばかりの習い事を頑張って欲しい気持ちもあったから物凄くイライラして、「休みたい」の言葉を態度で遮ってしまいました。しっかりと奥歯で言葉を嚙み殺して、何とか
「自分でどうしたいか考えて、それでいいよ」
と、長男を尊重していそうな言葉とは裏腹に、子どもの顔すら正面から見れないまま、会話を終えてしまいました。
 
 一緒に働いている人は続けて
「私、大丈夫?って言えなくて色々うるさく言って電話切っちゃいました」と。
(私、内心で うん。分かるわー)

 聞かれた同僚はというと、すぐに
「大丈夫?って聞けるよ。昔は言えなかったけど、今はもう大きいし、下手に不登校になるよりバランス取って休んだ方が良いでしょ、と思って」
と返してました。

一度休んだら、そのまま不登校になるのでは?
ずる休みでは?
頑張って欲しいのに。
弱い人間になるのでは?
社会で通用しないよ。
やりたい事があるのに、休んで邪魔になるんだわ。

子どもの「行きたくない」
に、そんな風に自分のバランスを崩されながら
「大丈夫?」
と気遣う事の出来る子どもへの信頼は強いなぁーと思いました。

 でも一人で家に帰りながら一番思ったことは、
「大丈夫?と気遣う、優しい親に私もなれたらな」
…ではなく、

「きっとあなたも、本当は頑張って仕事に来てるんじゃないのかな、違うかな」

「子どもの時、休みたくても素直に言えなかったり、お母さんにダメと言われたり、信じてもらえなかったり、そんな事があったのかも知れない」

あなただってきっと「休みたくて、でも休めなくてよく頑張ってきたんだよ。だから休むことが許せないんじゃないのかな」

「ずる休みをして失敗した経験があるのかな」

「大丈夫?」と言いたいけれど、「言えなかった」んじゃないのかな。

一緒に働いている人への、そんな言葉でした。

子育て、もしくは人間関係って、同じ失敗を繰り返す確率、結構高いんじゃないかと思います。
 「いつも同じ事でどうしても言い過ぎてしまう」というような繰り返す失敗には、今までの自分の生き方が反映されてくる。

 例えば…私は

 長男が時間にルーズでいつまでも玄関を出ようとしないことに、ものすごく怒りのスイッチが入ってしまうのは、私が昔とても時間に適当で、遅刻に問題を感じていなかった、そのために「時間泥棒をしていた」事が後々、罪悪感になったからだ。時間泥棒しない事を相手にも強いているから、「怒りすぎだ」とどこかで思いながらも「早くしなさいって」を口にしている。

というように。

 でもね、そんな事より何より、本当は…

「〇〇さん、子どもが学校休みたいって言ったら大丈夫?」って言えますか?」

って、優しく子どもに言えなかった事を気にしている、それは子どもへの愛情なんだから、親としての在り方をもっと信じたっていい、ってこと。そんな気がします。

「そりゃあ子どもにそんな事言えないわよ、言えない言えない。だってさ、甘ったれるなって感じだよね。急に休みたいとか、腹立つわー」

と同情して欲しかっただけ、とは、私には思えないけれど。
本当は、自分が放った言葉で傷ついていないか、学校で何かあるんじゃないかと子どもを心配しているように、子育てに不安があるように、私には感じられたけど。

 昔「それな」って相槌が流行った事があったけれど、誰かが何処かで会社名にしても良いんじゃないかと、ふと思いました。
ロゴマークなんかは…

 …筆記体で。


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