クククク……バットマンウェインファミリーアドベンチャーは平易な英語、丁寧なキャラ紹介、全話無料が合わさった完全入門作品だあ……(全文無料範囲)
この記事はアメコミ原書入門に最適な作品であると各所で評価されているウェインファミリーアドベンチャーを紹介する記事です
バットマン:ウェインファミリーアドベンチャー|ウェブトゥーン (webtoons.com)
ウェインファミリーアドベンチャーとはDCコミックスから出ているウェブトゥーンだ。コミックとどう違うの? 言われると、以下の点が挙げられる。
スマホに対応した縦スクロールフォーマット
主にウェブ上で展開され、物理書籍で毎月出るわけではない
本作品もそう言ったウェブトゥーンの一つで、縦にフリックしながら読み進めていくことになる。これがどう作用するのかと言うと普通のコミックよりも情報密度が下がってサクサク読める。単純に使える広さが半分というのもあるほか、スマホで読む手軽なものとして作られているため、展開にもそれは反映される。だからと言って侮ってはならない。ウェインファミリーアドベンチャーはウェブトゥーンであり、立派なDCのヒーローコミックだ。明るくユーモアある展開の中にも、正義や希望と言ったDCの根底に流れる思想が流れており、熟練のコミックファンにとっても読みごたえがあり、初心者にも入りやすい作品となっているのだ。映像作品で言うとレゴバットマンやスーパーペットのような気軽さと深さがちょうどよくなっている。そんな作品なのだ。
名作なのでこっちも見よう。スーパーペットとレゴバットマン。ネトフリにどっちもある。
初心者におススメできる理由
じゃあかたっ苦しい話は抜きにしてここがいいよ! と言うシーンとかを語ろう。
その1 きらら系バットマン
まずはやはりバットファミリーのおかしな日常が見れるというところである。本作はあまり大きなイベントが起きない。基本的には普通に生活したり学校に行ったり悪党を殴ったりと言った凪いだ日々の中で起こるあれこれを描いている。人が死んだりもしない。なので心の弱いオタクにも安心である。死んで蘇った奴なら何人かいる。
気軽に死をジョークにするジェイソン。
なので基本的に緩くてギャグ回がメインだ。特にバットマンの養子であるであるロビン兄弟がわちゃわちゃするネタやバットマンのカッコつけがちなナルシストな部分やおぼっちゃま育ちで世間知らずな部分がよくネタにされる。
これは執事がいないとネクタイの結び方がわからないせいでジャスティスリーグに頼るバットマン
これは旧コスチュームをゲーム大会の罰ゲームにされるロビン長男。
これは男二人がイチャイチャするだけの回。
こんな感じで明るい話が好きな人にはお勧めである。
その2 意外と熱い展開
そんな感じで緩い話が多いのだが、その中でもバットマンらしい話をちゃんとしていて、感動したり熱くなったりもできる。悪と戦う戦士でありヒーローであるという基本設定はちゃんと茶化さず真面目に描く時は真面目に描く。そこが本作の特に素晴らしい点だ。むしろギャグをやる時ですら設定や本編での性格を厳守しながらキャラ崩壊を起こさずギャグをこなしている職人技こそ本作の味だろう。なので、シリアスな時もめちゃ面白い。本家のコミックにも引けを取っていない。
例えば、これはバットマンがサイドキックのスポイラーを励ますシーン。
ブルース「だがシンボルと違って人間は完璧になれない。誰もが理想に近づけるわけじゃない。それは私も同じだ」
このワンセンテンスだけでもうバットマンの本質説明できちゃったよ。そう、バットマンは超人ではない。生身の、血を流す人間である。しかし、ゴッサムの闇を照らすには人間以上の存在が必要だ。故にバットマンはいつも人間である自分と人間以上のものであるバットマンの名前の重みと板挟みになって苦しんでいるのだ。だからこそ、ブルースは同じ悩みを持つ若者に寄り添い励ますことができる。この場面だけ切り抜いてもいいシーンではあるが他のDC作品、例えばザバットマンやダークナイトあたりを見てから再度確認するとこの言葉の重みがわかるだろう。
他にも、これはバットマンがアーカムやノーラン版でお馴染みのスケアクロウの恐怖ガスによって見た幻覚を仲間達が決して諦めないように自分も諦める事はないと精神を奮い立たせ打ち破る回だ。
笑えて泣けて熱くなれる。全方位に隙がない。それがウェインファミリーアドベンチャーである。
その3 キャラ紹介が丁寧
本作はタイトルの通りウェインファミリー、つまりバットマンとその仲間が主役の作品である。サイドキックのロビン、バットガール、バットウーマン、執事のアルフレッド、新米ヒーローのデューク等々個性豊かな面々がいる。そのキャラたちを個別の主役回や特定の組み合わせやグループに関係性を絞った回、ファミリー全体でドタバタする回など、あらゆる方面で掘り下げをしてくれる。これ読むだけでバットファミリーに大分詳しくなれるのだ。勿論、ファミリーだけじゃない。彼らはそれぞれ外にも繋がりがある。例えばバットマンならスーパーマンを筆頭にジャスティスリーグの面々。初代ロビンのディックなら若年ヒーローチームのタイタンズ。二代目ロビンのジェイソンならダークヒーローチームのアウトローズ。ファミリーの情報担当であるオラクル、バーバラゴードン(警察の協力者でありバットマンの親友であるゴードン警部の娘)なら女性ヒーローチームのバーズオブプレイなど、色んな人間関係の繋がりがあり、そこも描写してくれる。既に90話近く連載しているが今も続いている。尺もたっぷりだ。なので、バットファミリー中心にDC全体に詳しくなれるといいっても過言ではない。これはとんでもないアドである。いずれ他の原書や邦訳を読む時もここで得た知識がかなり読み解く手助けになり、より楽しめるのだ。
これは番外編のスーパーマン一家の回
その4 英語がわかりやすい
原書を読む時つまずくポイント第一位は何かそれは……!
文字多い……。
ここでもう心が折れそうである。これが原書読みの卵を何人も葬ってきた。けれど、本作はそんな心配がない。
ワンセンテンスの文字数が少ないし、難しい英語も使わない。一ページあたりこのくらいの文字数で読みやすい。
文字少ない! 読める! 読めるぞ!
更にグーグルカメラを使えばホラこの通り。
このように原書の中でも特に読むハードルが低いのが本作の優れた点である。更には全話無料なので今からでも追いつける。
まとめ
これでざっくりと伝わっただろうか。まだまだ好きな部分は語り尽くせないが、これ以上は実際見て貰った方が早い。それだけじゃない。最初の記事でも話したがこれは邦訳版がライン漫画でも読めるのでどうしても英語は読みたくないという人にも安心だ。Batman: Wayne Family Adventures|漫画無料・試し読み|LINE マンガ
とにかく素晴らしい作品なので読んで欲しい。バットマン知らなくてもここから入ってもいい。特に予習はいらないし逐一簡単に説明してくれるしするする読める展開だから! 読んで欲しい! まげて頼む。
それでは、やる気があれば続く。
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