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ミリアニ観てきた!

ネタバレ抜き感想の前に色々


 筆者はミリシタから入ったPです。他のブランドはちょっと知ってるくらい。 
 いやあ、面白かった。一応ムビチケは買ったけどなんとなく義務感みたいなものがあった。10年経ってようやくアニメ化と言う悲願達成のはずなんだけど、ここ最近バンナムに不信感が募ることが色々あり、また公開してからちょくちょく好評の声は聞こえて来たんだけど何となくザフラッシュの事を思い出して怖くなったりもした。期待をし過ぎると逆に辛いからね。いやまあ別にさ、これで一発逆転とかそういうアレじゃないよ。ザフラッシュはそれをどこか期待されてたからギャップで辛かったところもある。あと、ファン感情としてやっぱ納得できないことがある。だが、ミリアニに関してはちゃんと期待できるしここからファンになる人が増えてくれればと、ささやかな希望を持てた。それは救いだった。

ネタバレ抜き感想

3Dモデルについて

 白組のCGは日本でも屈指の出来だし今回のかなり良かった。特に好きなポイントは限りなく二次元に寄せているところだ。ゲームのイラストを今風にチューニングした感じの画風でそれをそのままぐりぐり動かしてくれる。スパイダーバースのような感じと言ったらわかりやすいか。ライブシーンも生き生きとした動きで凄かったしキャラらしさが出ていた。なので3Dアニメはちょっとと言う人も一度見て欲しい。

劇場で見る理由

 本作は来年からテレビ放送する。なので別にわざわざ劇場で見なくても待てば無料で見れる。私もムビチケ買ったのはネタバレ踏みたくないみたいな理由だった。しかし、観てきた私の口から言おう。劇場で見る価値はある。大画面で見れる。集中できる。あたりがメリットだが、本作特有の強みがある。それはアイドルアニメだという事だ。ライブシーンの没入感を高めてくれるのが暗い劇場と狭い椅子だ。スクリーンが舞台となり、劇中のライブを客として実際に見ているような気分になれる。また、本作は応援上映もあるのでそちらは更に体験にリアリティを与えてくれるだろう。だから言おう。劇場で見た方が圧倒的にいいと。 

新規ファンへの気配り

 本作は既存ファンだけでなく新規ファン獲得も目的としている。なので、ここからでも入っていいように作られている。アイドルがなんなのか知らなかったレベルの素人である春日未来は仲良しのおばあちゃんに貰ったチケットでアイドルライブに行く。そこで、初めて見たアイドルのライブに魅了されアイドルを目指すのだった。というあらすじだ。故に未来の視点で物語を追えば事前知識は全くいらない。そんな未来にアイドルの世界を教え、共にアイドルの道を進んでいくのが最上静香だ。彼女は幼い頃からアイドルに憧れ、765プロオールスターズの様になるためオーディションを受ける。そんな二つの視点で新規と既存ファンにとって自然な導線が用意されているのだ。アニマスや他のミリオン関連のコンテンツを見ていればより楽しめるし、特にムビマスのバックダンサー組についてはほぼ同じ経緯を辿っているようだが、必須ではない。
 リランチ前のイベントも概ね経験している設定だけど新シリーズから読み始めてもいいみたいなアメコミに似ている。

千早のケツ

 本作は上映前にアイマス関連のCMが流れる。来年のシャニアニメやフィギュア等だ。その一つに千早の水着フィギュアがある。なので、スクリーンの半分を埋めるほどにドアップのケツが映るのだ。劇場の大スクリーンに突如現れるケツ。これを見れるのは今だけだ。

ネタバレあり感想

みらしずマシマシカタメ

 ゲッサンミリオンでもみらしずを主人公とし二人の関係性が物語の中心になってきました。しかし本作はそれ以上に、その先に行こうとしているのです。ライブ会場で隣の席になるという運命的な出会いを果たした二人は夜の公園でアイドルになるのを誓い合うのです。どんなに探しても見つからなかったやりたいものがようやく見つかった未来。幼い頃からずっと一つの夢を見ていた静香。やると決めたらその日の内に突っ走ってしまう未来のがむしゃらさが、親に止められ委縮していた静香に勢いを与えるのです。そんな風に二人の対比が四話の内にもかなり多いのです。未来が母親の作った弁当を出した瞬間に父親の事を思い出して目を伏せる静香や、オーディションでの対応など。そして何よりも、最上静香の最初のファンは春日未来なんですよ。その意味がわかりますか? アイマスと言う文脈において最初のファンの意味するところを。これはプロポーズですよもう。そんなみらしずの極北たる作品が本作なのです。

四話区切りの構成

 本作は地上波で一話ずつ放送することを前提として作られています。なので25分ほどで一度話の区切りがつきます。つきますが、繋がっているんです。何を言っているかわからないと言われそうですが、そうなんです。一話でアイドルを知り、みらしずが出会う。二話でオーディションとそれに向けた努力。三話で劇場メンバーと出会い、アイドルの世界に足を踏み入れる。そして四話で未来にとって初めての原っぱライブに向けて進みだすのです。一話で765プロオールスターズのライブを見た未来が四話で自分のライブを作ろうとする。ライブを軸に広がり、収束する脚本。この四話は一本の映画としても完成しているのです。これもミリアニを映画館で見たい理由の一つです。ただ作品に集中してこの物語の流れを一気に浴びせられるのは劇場ならではであり、今しかできないことです。今すぐ見よう。

プロデューサー

 アイマスの主役と言えばもちろんアイドルですが、やはりプロデューサーは欠かすことのできない存在です。アイドルを食わず、かといって空気にならずしっかりと支える。そんな存在でなくてはならないのです。アニメはゲームよりもアイドルの主体性を見せなければいけないためその塩梅が難しいのですが、今回のプロデューサーは新人で若干初々しいもののちゃんとプロデューサーをしていました。それを象徴するのがその方針です。自分がアイドルを導くだけでなく、アイドル自身が求める道を共に進み願いを叶えていく。そんなプロデューサーでありたいと。はらっぱライブが未来から、アイドルから出た企画でありそれを叶えようとする姿からもわかります。

ライブシーンの演技

 ここからはシーン単位で印象に残ったところを話していきます。まずはオーディションで未来、静香、翼で主題歌Rat A Tat!!!を歌うシーンがあるのですが、そのシーンの歌、と言うより演技が良かったという話です。既にスカウトされていて歌もそつなくこなす余裕ある翼、若干粗削りさはあるけど自信満々で勢いがいい未来。そして緊張でガタガタの静香。歌の中に見える感情の込め方が凄まじく、素晴らしく。十年演じた重みとその経験の上にある新境地を見せてくれました。上手く、そして自然に歌を崩してキャラの感情や実力を表現する。とても素晴らしい演技でした。そして、そこから未来の後押しで立ち直り、ボルテージを上げていく静香の歌。そして、そこから始まる39人ライブ。大丈夫です。私は正気です。未来たちの輝きがその場にいる人間に39人の幻覚を見せただけです。マジで言葉通りの意味です。因みに一幕にはかおつむは出てないので劇中の誰も知りません。かおつむ自身も知りません。いやでも理屈としてなんとなくわかるんですよ。最初にミリオンライブ最大の魅力を見て欲しいという意図が。それは39人の魅力的なアイドル。そしてその全員が揃ったからこその輝き。一人も手放さないを謳うミリオンライブと言うコンテンツの象徴がそれです。だから理屈抜きにそれを見せたいというのもわかるのです。実際素晴らしいライブシーンでした。話数で言えば二話そして三部作映画一作目の山場として相応しいものでした。

キラキラの裏側

 あるシーンが意外にも印象に残りました。それは、建設中の劇場に入るシーン。まつりが未来たちに先輩風吹かせてたり現場監督と仲良くなってたりして面倒見の良さと言う部分を見せてくれていたのもよかったんですけど、それ以上に大工の人たちにお礼を言うシーンが感動したんですよ。アイドルってキラキラの裏側。その地味で隠されている部分。まあ隠されているって言うか普通に工事中の現場に入るのは危ないんですけどね。まあとにかくそんな裏方の人たちに感謝を伝えるというそんなシーンを入れてくれたことが凄く嬉しいんですよね。物語の流れとしてそこまで必要にないように見えても、作品の持つスピリッツを考えるとそれを入れないと片手落ちになる。そんなシーンでした。一人も手放さない。それがミリオンなんですよ。

やって見てからわかる事

 原っぱライブの提案から話がどんどん転がりだして収集が付かなくなっていく展開。そして、それに否定的なキャラクター達。デビューに向けてレッスンを詰めたいと言った紗代子と可憐。プロとして中途半端なものは見せられないという桃子。未来の思い付きは突拍子もなく現実味もなく、混乱を招いてしまう。しかし、そんな未来にプロデューサーはいうのです。それでも、自分の担当するアイドルがやりたいと言ってくれたことだから叶えたい。それに、大変かもしれないけどやって見てからわかることだってあると。やって見てからわかる。ミリオンはそんなコンテンツです。そうやって一〇年続いたんです。そんながむしゃらな輝きが私達を魅了してきた。それがミリオンらしさなんです。勿論反対した子も間違ってはいませんしちゃんとフォローされています。そういう細かい気配りも嬉しいですね。39人のアイドル誰もが誰かの担当なんですから。
 そんなこんなで、私自身もこれを見てようやくああアニメ作ってくれてよかったと思えました。そんなものです。

終わりに

 今既にネット上には色んな人の感想が溢れています。中には私の記事よりも正確にこの作品の魅力を表現しているものもあるのですが、それはそれとして何となく書きたくなったから書きました。普段アメコミ記事書いてるのであんま読まれないかもしれないけどいいんだ。これでいいんだ。
 それでは。


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