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英検3級がアメコミ原書を読んでみた

 この記事は英語ポンコツでもアメコミ原書を読んでいくためのあれこれを紹介するものです。アメコミが好き、興味があるという人は見て行って下さい。


How どうやって読むのか?

その1 翻訳ソフトを使おう

 書いたそのままの意味です。自力で英語を読むとか英語力向上とかそう言うのは目的としていません。プロの翻訳家でも翻訳ソフトを使っているのだから素人の我々が使わないなんて意地を張っても仕方ありません。他力本願で行きましょう。南無阿弥陀仏Google様、Deepl様。
 私は主にテキストを手打ちして訳しているのですがお手持ちのデバイスによってはもっと楽な手段があります。それはOCRというものです。具体的に言うと画像を読み込んでその中にある文を訳してくれる機能です。例えばグーグル翻訳のアプリはカメラを通して画像翻訳ができます。また、パソコンなら画面に映った画像をキャプチャして訳してくれるフリーソフトがいくつかあります。OCRで検索すると出てきます。私が使っているのは主にDeeplです。理由としてはブラウザを画面開きながらその上に出せるからですね。無料範囲でも十分使えます。また、一つのソフトだけだと偶に変な文が出てきたり誤訳したりするので複数使えるなら使うのがベターです。色々試してこれかなと思った訳で読みましょう。
 これらの便利なツールはガンガン使うべきです。もちろん日本の漫画や邦訳を読むよりは時間がかかりますが使っている内に操作にも慣れていきます。また、なんとなく英語もうっすら覚えていきます。本当にうっすらでしかありませんが。またソフトは自分にあったものが一番いいです。探せ。

その2 記録しよう

アメコミ原書読みに慣れる為に私がやっている事の一つに訳文の記録というのがあります。セリフと地の文を分けつつワードに書いて記録しています。その理由としては読み返す時にまた訳すのが面倒というものがあります。なので訳したものを保存しておけば手間は一度で済むわけです。また、自分でタイピングするというのは案外馬鹿にならない学習効果があり、この文はこういう意味だと何となく覚えてしまうのです。すると、割と訳文を見直さなくても読み進められるようになります。これは別に英語力が上がったかというと微妙で一つのテストの答案を覚えたようなものです。別の問題には応用効かないことも多いです。なので別に英語力上げたくない人にも大丈夫です。

その3 ネタバレを見よう

 訳している途中でなんか変だなと思う時があります。例えば、セリフがページを跨ぐ時とか。そういう時は素直にページをめくってしまいましょう。また、なんなら最初に絵だけざっと読むとかちゃんと訳さないで知ってる単語だけ拾ってガンガン読み進めちゃうとかしても全然いいです。また、他の原書読みの感想を漁って大筋を掴むのも全然アリです。私もそうしてます。アメコミの良いところは絵が綺麗なので文字が読めなくても楽しめる所です。なんなら文字のないコミックとかもあります。そういう雑な読み方も許容してくれるのがコミックの気軽さというものなのです。大衆娯楽なのですから軽い気持ちで付き合っても全然OKです。勿論、腰を据えてしっかり向き合ってもちゃんと熱量の分だけ面白さを返してくれるものでもあります。付き合い方は人それぞれで自分の距離感で歩みましょう。
 そして、しっかり読みたい人にもまたそういう雑な読み方をしてみるのを私はお勧めします。何故なら、勉強はカンニングした方がはかどるからです。答えがわからないまま延々考えるより先に答えを見ちゃってから問題を解いた方が楽です。ざっくりした展開を見た方が文の意味を考えるヒントをより多く得た状態で考えられます。その方がずっと楽です。それにアメコミを読むという事は義務でもないし何か得るものの為にやっているのではない趣味なので、読み方に成長などなくてもいい。楽な方に流れていいのです。

Why 何故原書を読むのか?

その1 アメコミは全部が邦訳されない

 ここまで読んで貰ってなんですがこうは思いませんか? 最初から翻訳されたのを見ればいいじゃんと。確かにその通りです。そっちの方が大分楽です。更に解説の小冊子等も付くのでガイドもあります。じゃあなぜわざわざ原書を読むのか?。
 まずアメコミと聞いて何を思い浮かべますか? スパイダーマン? バットマン? まあ概ねそんな感じです。これらはヒーローコミックと言います。アメコミの中での一番大きいジャンルです。他にもラブコメとかホラーとかレズビアンSMとか実際の人物を題材としたコミックとか色々あります。そして主に二つの老舗がそこに君臨しています。マーベルとDCです。例えるならジャンプとサンデーです。大抵の人が思い浮かべるアメコミはその二つですし私が読んでいるのも主にそれです。じゃあ他のもあるの? と言われたらもちろんあります。マーベルとDCの二社以外にもコミックを出版する会社はいっぱいあります。有名処で言うとウォーキングデッドのコミックを出しているイメージコミックやヘルボーイなどのダークホースあたりでしょうか。つまりは、日本でアメコミと認識されているものはアメリカンコミックの中の一部ということです。普通の書店にある邦訳も基本的にそれが大半です。マーベル、DCが殆どで数種類の他出版社の作品といった具合で、更にはそのコーナーも割と狭いことが多いのです。その小さい棚にアメリカで出版されるコミックの全てが翻訳され詰まっているのでしょうか。答えはもちろん否ですね。
 というわけで翻訳されるのがアメコミの中のごく一部であるという事がわかりました。

その2 翻訳される作品とされない作品

 では、翻訳されない作品とされる作品の違いはなんでしょうか。勿論売れる見込みがあるかどうか、それが一番大きいです。スパイダーマンやバットマンなどの人気タイトル、映画の原作となった話題性のある作品、賞を受賞した作品、単純に本国で話題になった作品などです。こういうのが翻訳されます。邦訳だけ買っても一応メジャーな作品とか話題作は概ね読めます。なので原書が読めなくてそこまで困る事はないと言えるでしょう。じゃあ翻訳されない作品が面白くないかと言えば、そんなことは決してありません。邦訳されない面白い作品はいっぱいありますがローカライズして別の国で売るというのはかなり手間とリスクがあり、全部を邦訳するという事はできないのです。これは、マーベルDCのような大手でも同じことです。書店のアメコミ棚やアマゾンでアイアンマンとスパイダーマンの邦訳の数を比べてみてください。この意味が分かるはずです。

その3 原書を読むメリット

 ここからが原書を読むメリットの話をしていきます。これまでの内容と若干被るところもありますがそこはご容赦ください。
 まず一つ、翻訳されていない面白いコミックが読めるという事です。前段で説明した通り邦訳の壁は高いものです。せっかく映画などでアメコミに興味を持ったのに好きなキャラが出ている邦訳が書店にない! という状況は珍しくなかったりします。他の書店や通販で手に入ることもありますが、もし邦訳がないキャラや邦訳が絶版になっている作品だったりしたら……。という時人はこの修羅道に踏み入るしかなかったりするのです。例えば、近々公開される映画スパイダーバースですが、邦訳を出していたヴィレッジブックスさんが撤退してしまったので原作は現在絶版です。中古だとそれなりに値が張るでしょう。また、今回のメインキャラであるスパイダー2099/ミゲル・オハラの個人誌は邦訳されていません。もし映画を見てミゲルのことが気になったら、もっと活躍が見たいと思ったら、その時何を読めばいいのか。もし、どうしても読みたくてたまらないという時、そこにしか光はないということもあります。映画が公開されて知名度が上がったら売れるという見込みで邦訳されることもあります。でもミゲル個人誌は今のところ気配はありません。なので待つくらいならこっちから乗り込んでいこうという気概も時には必要だと私は思います。また、邦訳をメインに読んでいるという人にもおすすめします。アメコミの中でもヒーローコミックは複数の物語で世界を共有しているシェアードワールドが多いです。なので、スパイダーマンの話でアイアンマンが出てきます。ここら辺の概念はMCUとかで広まったと思います。何が言いたいとかというと、スパイダーマンの個人誌だけ邦訳されててもスパイダーマンの動向全部はわからなかったりするという話です。また、いわゆるビッグイベント系。映画で言えばインフィニティウォーやエンドゲームみたいなそれです。でもその映画の裏側でアントマンアンドワスプの事件が起こっていたりしますよね? そんな感じの事がコミックでもあります。むしろコミックでやっていることを映画でもやったと表現するのが正しいですね。大きいイベントの裏の話がある。しかしそういう話はあまり邦訳されずにイベントのメイン部分だけ邦訳されるという事が往々にあります。最近出た邦訳ではウォーオブレルムスというアベンジャーズと北欧の神々の一大戦争というビッグイベントを描いた作品がありますが、その裏で起こっていた話もあります。タイインというビッグイベントが刊行された時に作られるおまけ短編のような作品です。アントマンら巨大化能力者を集めて巨人の軍団に潜入する話などマクロスみたいなことやってたりします。それらの短編群まで見てこの話をしゃぶり尽くしたいという欲求があるならば、道は一つです。
 二つ目、ここが一番大事な話かもしれませんのでちゃんと聞いて下さい。

安い!!!!!!!

 これは主に電子書籍派の人向けの情報なのですが、アメコミは電子のセールを時折やります。その時に買えば邦訳よりも安く読めるよねってことです。特にDCとかはアホみたいなセールをやります。今年の正月セールでは3000円のやつが200円くらいで買えました。その他、つい最近も2000円が500円くらいで買えるセールもやってました。またポイントも付きます。それだけではなく、アメコミ原書はサブスクで読めます。キンドルアンリミテッド、やマーベルアンリミテッドあたりがメジャーですね。アマプラ会員ならプライムリーディングにもいくつかあります。キンドルの方はDCマーベル問わず色々読めます。偶にシリーズの途中で無料が途切れてたりしますが、一巻で完結する名作もいっぱいありますのでそちらをメインに読んでいけば大丈夫です。月額は980円です。現在二ヶ月99円のセールがやってるので入り時ですね。二ヶ月経ったら980円のコースで自動更新されるので注意して下さい。
Kindle Unlimitedへようこそ (amazon.co.jp)

マーベルアンリミテッドは月額5ドルで3万冊以上のマーベル作品が読めます。
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かなり昔の作品やサブスクオリジナル作品もあって色んなキャラに触れたりできます。限定だとイッツジェフという歩く鮫がマーベル世界で日常を過ごすというゆるふわ系の作品があるのですがそれはなんとセリフがないので英語読めなくても楽しめます。このように安くアメコミを楽しみたいという人に原書読みはおススメです。私はキンドルアンリミテッドを200円セール時に入って三か月で5~6冊くらい読みました。一冊2500円として単純計算で14800円くらい得してますね。人生でここまで得することあまりないですよ。
 
 最後に、最新の展開を追えるというのがあります。アメコミはリーフという20頁くらいの冊子で一話ずつ刊行する形で連載されます。それらは、コミックショップというところで買えます。コミックショップは普通の書店とは違うのですがここで説明するのは面倒なので自分で調べて下さい。また、日本のコミックショップでもアメリカで刊行された原書のリーフは買えます。そのリーフを何話かまとめたものがTPBと呼ばれる単行本になります。更に、そのTPBの装丁とかちゃんとした豪華版みたいなやつ、所謂グラフィックノベルというものが通常の書店にも並ぶそれです。日本の書店にある邦訳はそのグラフィックノベルを翻訳したものです。
 日本の漫画でも雑誌に掲載されそれが単行本になるまで時間がかかりますよね。アメコミはそれに邦訳されるというもう一手間がかかるので更に遅くなるわけです。しかし原書で読めば最新の話を読めるという事です。話が何処に落ち着くのか、次の展開はどうなるのか、このキャラの生死は? そんなライブ感を楽しみたい人は今すぐ原書読みましょう。

最後に

 ここまで長々語ったわけですがこれは私の経験から来る実感なので他の人に当てはまるかわかりません。半分備忘録のようなものです。でも、もしこれがアメコミ原書読みたいよって人に役立つなら光栄です。アメコミは特に敷居が高いものでもなく気軽に楽しむ趣味です。今日はそれだけ覚えて帰って下さい。また英語を読むというのも同じです。今は色んなテクノロジーがあって自分の英語力がなくても英語を読む方法はいっぱいあります。この渡すがそうしたように。英語力なくてもアメコミは読める。洋書読んだって自慢できる。だから読もう。気軽に読もう。そして読んだ時、あなたはわざわざ他の言語のコミックを読む異常者となるのです。お前も家族だ。
 何となく反響や私のやる気次第で私の好きな原書紹介記事とか書こうと思います。じゃあね。


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