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独男の始夏

ゆい 「るんるる~ん♪」

ゆ「きょうからぷーるのじゅぎょうが
はじまったね!いーちゃんはどう?
よくおよげた?」

い「あたちなんかびーとばんないと
じゃぶじゃぶおぼれちゃうよー!
でもゆーくんすごいね!?
きれいにおよいでたよ?」

ゆ「ぼくはすいえいならってるからね!
えっへん!」

そ「そりゃ凄いな!?ウルトラソウル!
……ってか?あっはっはっは。」

ゆい「そうだおにーちゃん!?」

ゆ「ありぇ?このじかんはまだ
そうだおにーちゃんいつものこんびにで
はたらいているじかんだったよね?
なんでここにいるの!?おやすみ!?」

そ「あれ?2人とも言ってなかったっけ?」

そ「辞めたんだよ先週。あのコンビニ。」

ゆい !?

そ「3年前の9月から約3年間よ?
本当に長かったね、辛すぎたよ……。」

い「そう……だったんだ。へぇー……」

そ「ただこれからも正社員になる為に
勉強したり面接受けまくったり
用意するもの沢山あったり行くところも
沢山あるんだ。おにーちゃんの
スーツ姿見たいだろゆいちゃん達?」

ゆい「みたいみたいー!!」

ゆ「ところでなんだけど……めずらしく
そうだおにーちゃんはーふぱんつ
はいてるよね?」

い「ほんとだ!?めずらちい!!」

そ「いやーはは。俺も履きたかったんだよ、
でも太もも太くて恥ずかしいし
何よりもこのすね毛よ?ほら」ムニー

ゆい(……もじゃもじゃちてる……)

そ「でも流石に暑さには負けたよ。
ちょうど7月も始まったしさ、
ゆーくんといーちゃんでどこか行きたいね!」

ゆ「いーねいーね!どこかいこ!
はなびたいかいとかぷーるとか!」

い「かきごおりたべたくなっちゃった……」

そ「ん?いーちゃんかき氷喰いたいのか?
そこにローンン在るから皆の好きな
アイスひとつ買ってこよーか!」

い「ほんとにー!?
おにーちゃんありがとう!!」

ゆ「うれちー!」

約10分後

そ「うんむー!歯茎がぁ!染 み る!
うぉー!!!!!!」

ゆ「そうだおにーちゃんだいじょうぶ!?」
モクモク

い 「あずきばーなんてかたいもの
かっちゃうからだよ!んもー!」パクパク

そ …………

そ(確かに俺にも夏はあった。
夏休みはあった。
でもろくに遊ぶ友達もおらず、
図書館にもプールにもあまり行かず、
寂しく近所の中古ゲーム屋さんで
恋愛ゲームのパッケージとにらめっこや
自転車で適当な所ぶらついたりした
だけだった。)

そ(ゆーくんといーちゃんが居る今、
最初で最後の満たされる夏休みを
迎えられる可能性もあるのか。)

独男の夏が始まる

イメージBGM
Oasis/ The shock of the Lightning


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