就活の教訓【24卒】

 私の就活の流れとしては、1年生の1月に就職活動を始めようと思い立つ→効果のある取り組みができず2年生で意欲を失う→3年生はインターン探しや夏季集中授業、公務員試験対策→年明けて公務員不合格に備え民間対策を急ピッチで取り組む→5月に学校推薦で民間企業に内定 という具合である。また理系であり、専門分野に就職する学生が多く、私もそうである。
 ここでは、就活を通して得られた5つの教訓について書いていきたい。

1 教訓は汎用性の高いものであるべし

 大学受験の教訓は、汎用性が低かったため就活にほとんど活かせなかった。活かせた教訓は「早く始めること」のみであり、また早く始めたからといって良い成果が得られるとは限らない。実際そうなってしまった。

 大学受験の致命的な敗因は「数学Ⅲ・物理・化学の教科書レベルの完成が遅くなり、入試対策に十分に時間をさけなかったこと」である。しかし就活においては必ずしもこの教訓は必要ではない。webテスト対策は基本知識なくいきなり始められる。また自己分析→面接想定質問対策という順番ではなく、想定質問に答える形で過去の経験を洗い出すことも可能である。むしろこのほうが的を絞った自己分析ができるのではないか。

 大学受験に関して具体的な事例に踏み込んで振り返れたのは良かった。しかしそれがかえって汎用性の低い教訓となってしまった。全く同じ経験は二度と起こらない。だから他のできごとにも適用できる教訓を得る必要がある。そこで汎用性を高めた教訓を以下に書いていく。

2 実効性の高いアクションを行なうべし

2-1 実効性

 私の就活は実効性が著しく低かった。「実効性が高い」とは、役に立つ・有効であること である。大学受験の反省から1年生の1月に就活を始め、自己分析と企業研究が重要だという情報を得たので、これらを行なうことにした。

 自己分析に関しては自分の性格を書き出したが、まとまりがなく、就活にどう使えるのか分からない。意味のないものになってしまった。

 企業研究に関しては、社長・社員数・資本金・設立年・本社所在地・平均勤続年数・月残業時間・有休・新卒採用数・給料といったデータを調べた。しかしこんなものを調べたところで暗記できるわけじゃないし、ブラック企業でもない限り異常な値は生じないので意味がない。それよりは事業内容を掘り下げるべきだった。

 1年生の1月に始めたのに、2年間何も得られていないことからも、実効性が低すぎると言わざるを得ない。実効性の高い取り組みとは、具体的にはアクションを起こすことである。

2-2 アクション

 就活はアクションが必要だと考えている。ここでいうアクションとは、自己完結の対義語であり、他人とつながることである。大学受験はひとりで黙々と勉強していれば進む(だからこそ公務員試験対策は進んだ)。これに対して就活においては、エージェントからの支援を頂いたり、インターンシップや職場見学で社員の方とつながったり、座談会でお話して企業の具体的な様子を知ったり、グループディスカッション練習会に参加したりするなどの取り組みが必要になる。以上を行なうことによって3つのメリットがある。
1 エージェントとの面談により、就活の進め方が分かる
2 インターンシップの選考はESや面接の練習の場になる
3 イベントに参加することによって選考の案内が来る
よって、就活はアクションが欠かせない。

3 自分の判断を疑うべし

 「辞退できないから学校推薦に出願しない」という判断が危険極まりなかった。

 気になる企業の学校推薦での募集が3年生の12月頃に予告された上、2月上旬から3月上旬にかけて行われた。しかし、志望意欲が続く自信がなかったため、応募を見送った(前向きな検討をせず終始否定的だった)。この後、3月下旬から4月上旬にかけて第2回募集が行われた。(第1回募集時に、第2回募集があることは知らされていなかった)。一般選考のスピードの遅さに呆れた私は志望意欲を確認し、出願した。

 その企業に興味があり、業界を絞っていたのに、志望意欲が続くか分からないという理由で第1回募集への応募を前向きに検討せず、高難度の一般枠で行こうとしたことは、危険極まりない判断だったと考えている。

 以後、大事な時に最適な行動選択をするため、日頃から「自分がしようとしている行動は適切か?」と自分に問いかけるようにしたい。

4 「時間の無駄だからやらない」に注意すべし

 就活を進める中で、理由をつけてやらなかったことが主に2件あった。1つ目は、3年の9月-11月頃の「公務員志望だから(であり時間の無駄だから)民間対策をやらない」という姿勢である。公務員試験対策や(先生から受験を推奨された)資格試験対策は習熟状況が良好であったほか、学校の授業も忙しくなかった。だから就活をする余裕はあったはずである。1dayインターンに参加する手間は小さい上に、長いESを書くのも後のために頑張ってみるべきだった。6月頃には締め切り直前に急ピッチでESを書き上げたことがあったからできたはずである。

 2つ目は、3年の3月頃の、「本命に集中するため(時間の無駄だから)要らないところは受けない」という姿勢である(このとき、滑り止めから内々定をすでに獲得していた)。就活アドバイザーの方々も仰る通り、面接は場数をこなすことが重要である。「面接を経験→ダメなところの改善」を繰り返すことによって良いふるまいができるようになる。私はこのサイクルを第一志望群の面接でやったために、落選し可能性を狭めてしまった。同じ業界の子会社等を受けるべきだった。

 本当に忙しくてできないときもあるだろうが、ゴロゴロしている時間をなくせば時間を捻出できることは多い。やらない理由があるときは注意し、3番でも述べたようにその判断選択が適切かどうか疑いたい。

5 物事は早すぎず遅すぎず進めるべし

2年生の頃は
「今は初期だから、就活の基礎である自己分析や企業研究を行なう」
「今は初期だから、まだアクションはせず下調べをする」
と考えていた。自己分析や企業研究が滞っており、webテスト対策や就活イベントへの参加に転じるほうが進捗が見込めたにもかかわらず、「基礎」に時間をかけすぎたことが実効性の低さに繋がったといえる。

 関連する事例が過去に2件ある。
事例1 高1のときに「大学受験に向けて、今は基礎をやろう」と考えたが、解いた問題が簡単すぎたため、高3になっても数学ⅠAⅡBが不十分だった。
事例2 数学Ⅲ・物理・化学を早とちりしすぎてなにも頭に入らなかっためやり直すことになり、入試対策期間を十分に確保できなかった。

 自己分析や企業研究は必要な基礎であり簡単すぎることはないため、事例1の失敗には該当しないと考えたが、結果的に過ちを繰り返すことになった。ここにも教訓の汎用性の低さが表れている。また事例1は実効性の低さによる失敗とみなすこともできる。事例2は反対に進捗が速すぎたケースである。年単位の長期プロジェクトを行なうにあたっては
・全体のスケジュールを把握しペース配分する
・<ゆっくり要因>じっくりと時間をかけ完成度を高める
・<進める要因>「いつまでたっても『今は基礎』」はNG。このあと6で述べるように、進まなくなったらほかのことをする
ことが必要だろう。

6 行き詰まったらとりあえずやってみるorほかのことやるべし

 5で述べた遅くなることを回避するために、物事が進まなくなったら、ダメそうでもとりあえずやってみるか、ほかのことをするべきである。
 長所短所やガクチカ、そしてそれらのエピソードを探していた。そのときにSNSの就活指南アカを見ていたことによって、「エピソードは自己完結じゃダメ」など高いレベルを求めるようになり、諦めにつながってしまった(これがSNSのデメリットの一つ)。結果的に(業務はチームワークが多いとされる企業でも)自己完結ガクチカで合格した(別途チームワークの経験を訊かれた)。

 よって、就活に適したエピソードがみつからず作業が滞った時は、最適でないエピソードでも明文化してみるのが良いかもしれない(ただし実効性が下がる恐れがある)。また締め切りが迫っている等の事情がなければ、webテスト対策などほかのことをするのも良いかもしれない。汎用性を高めて言えば、進まないときは完璧でなくてもとりあえずやってみるか、違うことをやってみるべきだといえる。

以上です。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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