2月22日の日記

ドスン、と衝撃があり目を開けると知らないところに立っていた。
目の前には看板があり、
「ねこを愛せばねこに愛される」
と書かれていた。
先に進むと祭りの露店のようなものがあり、かなり賑わっていた。「やきそば」「りんごあめ」「射的」「くじ引き」「金魚すくい」等々一般的な店があり、値段は222円と良心的?ではあった。たまに店と店との間に10円と1円の両替機があった。珍しいので両替してみた。俺はたこ焼きを買って食べた。しかし、たこは入っていなかった。

ふと目を下に向けるとねこがいた。そこらじゅうにいた。道の真ん中や自販機の下、露店の近くで鳴いて、エサをねだっているネコもいた。かわいいので眺めたり撫でた。

ねこをさわったので手を洗おうと水道を探したが見つからなかった。歩いている人に聞いてみたら、なぜか怒られた。失礼なのだと言われた。俺は誰にも見られないようにハンカチで拭いた。

奥に進むと変な人が増えてきた。魚を七輪で焼いているおじさん(頼めば金魚も焼いてくれるそう)や、自動販売機で買ったチューブ状のエサをその場で食べる人など。店も…と思ったがあまり印象に残っていない。

ひとつだけ残っているのは、占い師みたいな人がやっていた店だ。そこは謎の青い粒が山盛りになっていて、好きなねこをイメージするとそのねこになるらしい。

ためしに俺は金を払い、太ったねこをイメージした。すると、粒々はみるみるうちに太ったねこに変化した。見た目もさわった感じも現実にいる猫と変わらなかった。しばらく撫でていると、もう一回どうかと言われたので追加で支払った。

そこで俺はふと、
「犬を想像したらどうなるのだろう。」
と思った。
実はどちらかと言うと俺は犬の方が好きだ。ねこも好きだが、犬は気持ちが伝わりやすい気がして好きだ。散歩もできるし。なのでいたずら心で柴犬を思い浮かべてみた。またもや青い粒たちが変形していく。さっきより時間がかかったが、無事に変形が終わった。

青い粒はレバーに変わった

トロッコなどで見かける機械のレバーだ

占い師みたいな人が驚き、やめろと言っている

やめろと言われたらやりたくなるのが人間

いたずら心に火がついた犬好きの俺は

そのレバーを倒した

































少し怖くなって閉じていた目を開いてみた。
黒くて静かだった。
さっきまでいた占い師みたいな人も含め、誰ひとりいなくなっていた。
さっきまで遠くから聞こえていた子供たちの声も聞こえてこない。
ねこもいない。
レバーはあった。
レバーを戻してみてもなにも起こらなかった。
真っ黒な空間に俺はいた。
呼びかけてみたが、なにも帰ってこない。
怖くなった俺は走って戻ってみた。
最初に見た看板まで戻ってきた。
看板の文字が変わっていた。

「お前はねこに嫌われた」

怖くなって振り返ってみたが、なにもなかった。

あとのことは覚えていない。
気がついたらベッドの上だった。
俺はそのまま寝た。

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