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夜祭り

 汗ばみうだる暑さの中、この先の未来が変われる気配がしなかった。どう足掻いたって望んだ未来にはならない気がした。努力をしても時間の無駄だと悟った。精神と身体が拒絶反応を示しだして自力では立ち上がれなくなった。僕が僕を信じきれなくなったとき、立ち上がらせてくれて背中を押してくれた。

 宵闇の道路を期待と不安と緊張の感触を感じ進んでみたら、煌びやかに妖艶に夜の世界が夜祭りが輝いていた。どことなく大人の匂いと雰囲気を漂わせており、僕には場違いな気がして逃げ出したくなった。そんな中でもつながれた手の感触は絶対的なものを感じ逃がさなかった。先に進むと綺麗だった。美しかった。現実を昼間の世界に置き去りにした。幻想を夜の世界に夜祭りに閉じ込めた。僕は道の真ん中で震えて泣いた。僕が僕を信じられなかったこと。努力をしても無駄なこと。未来が変われないことを恥じた。願わくば今からでも立ち直れますように、夜祭りの記憶が薄れて消えないうちに。

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