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異なる視点、視野、そしてつなげる


I try to lead as normal a life as possible, and not regret the things it prevents me from doing.
(人生はできることに集中することであり、できないことを悔やむことではない。)
スティーブン・ホーキング Stephen William Hawking
(20〜21世紀 イギリスの理論物理学者 1942〜2018)

こんにちは、システムデザイン研究所(SDL)のともです。
前回に続き、大物物理学者の言葉連投です 笑。

本稿を書いている最中、2024年2月17日にJAXAからH3ロケットの打ち上げが成功したとのアナウンスがありました。期待と不安の交錯する中、関係者の方々の努力が報われ、本当によかったです。
新たなページが開く瞬間です!

さて、それより遡ること数日前、久しぶりにスーパーボウルをテレビ観戦しました。今年のゲームは、テイラースイフトさんが東京でのコンサートからどうやってラスベガスまで移動してくるのかなんていう話題もあって、いつもよりも賑やかだったように思います。おまけにゲームも延長戦に入るなど熱戦でした。

その中でハッとするシーンがありました。それはQBの後ろ側から撮ったカメラ映像です。KCの名QBであるMahomes選手がパスを選択したプレイでした。プレイの詳細は解説者の方にお任せするとして、どんな映像だったかというと、
①ハドルを組み、次のプレイを確認
②陣形をセットしスナップ
③QBが数歩下がりパスの体勢に入る
④QBが狙いを定めてパスを投げる
⑤レシーバーがパスをキャッチしようとするもパスインコンプリート
なんとはないプレイです。しかし、この映像で一気に選手の視点を知ることができたのです。
QBがボールを投げる時に、その先に味方のレシーバーはいなかったのです。むしろそこには相手チームのディフェンスが。。。
QBの手を離れたボールが矢のように進みこの先どうなるのかとハラハラとしていると、そこに画面の左側からハイスピードで向かってくるレシーバーが現れます。
スピードを落とさずに走り込み、相手ディフェンスの前にドンピシャで到達しボールに向けて手を差し出します。
膝の高さくらいのボールだったことから残念ながらキャッチすることができなかったものの、次のプレイへと進んでいきます。

観客席や通常のカメラアングルからだと、プレーヤーとボールの動きを全体で捉えて、パスが通るかどうかを眺める格好になります。しかしQBアングルからだと、「そこに走り込んでくれ」とか「約束通りのプレイだから」というレシーバーに対する心理面も伝わってきます。
また、前述した画角からだとレシーバーが左側から飛び込んでくると書きましたが、ひょっとするとQBはレシーバーの動きを自分の視野に収めていたかも知れず、その際は違う判断が働いた可能性もあります。
いずれにしても、味方はそこにはいないのにQB はパスを出し、レシーバーがキャッチすべく全力疾走、そしてプレイを成功させる、という一連の動きは究極のチームプレイと言えましょう。

プレイブックという戦術本が各チームにあるといいます。それを元に選手は動きを分解し、それぞれの視点で眺め、各選手間の連携をとり、組み合わせることで一つのプレイを作り上げていきます。

これって、冒頭で挙げたH3ロケット開発など宇宙開発の世界で培われてきたシステムズエンジニアリングのエッセンスと一致しています。NFLではエンターテイメントの世界から、様々なカメラアングルを駆使して映像を作っていますが、ポイントとなるのは異なる視点からプレイを眺め、チームプレイとしてその素晴らしさを伝える、ということに尽きており、いやはや多くの人が関わる複雑な世界において共通したアプローチが取られていることに改めて気がつきます。

私たちレヴィは、システムズエンジニアリングを活用し社会全般に広げる活動をしています。またそれを平易に活用するためのクラウドツール"Balus”を提供しています。
アメリカンフットボールから宇宙開発まで、いやもっと日常的な世界で、複雑だなあと思ったらご検討ください。

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