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◆ 作業報告 20231216   

西郭(にしくるわ)遊歩道設置 2-1


今回はこれを塗ります

プロローグ

 2023年のハロウィンも終わり、そろそろクリスマスツリーでも飾ろうかと思っている頃、ヤスダさんから西郭に説明板を設置するから、そこまでの遊歩道をつくりたい、という内容の話。どうも木道を計画している様子です。
 これまでの活動で、椎津城跡の遊歩道といえば竹チップだっただけに、少し意外に思いつつ、木道だとすると、結構しっかりした厚くて長い木材が必要になるのかな?
 ヤスダさんは、ホームセンターでの購入を考えているらしい。だいたいの価格を聞いて、もっと安く買えないかなと思ったとき、そういえば! と思いついた。


 千葉県にも森林組合という組織があって、本部(本所と呼ぶらしい)を含めて2支所、4事業所があり、森林を守り、伝えるための事業を行っている。個人的には、地元の木を使ってなにか作りたいと思ったときに、材料探すためにのぞくことが多い。当然のように木に詳しい職員が多いので、あれこれ聞けるから結構楽しいし、何といっても木の匂い良くて、ついつい無駄話をしてしまう。
 日本は国土の7割が森林でその7割が個人所有なのだそうだ。日本のイメージのひとつにもなっている豊かな森や林の大部分が、民間の管理で守られていると考えるとちょっと意外な感じがする。
 この森林組合には時々お世話になっているのだが、秋にのぞいたときに、職員から、令和元年(2019)の台風令和元年房総半島台風)で被害を受けた倉庫を取り壊すのだという話があった。そのため、早々に中にある木材を処分したいから、どう? とのこと。なんだかお買い得な匂いが…。


 森林組合の話を思い出して、ヤスダさん話すと、ちょっと興味のある様子。ご所望の寸法をだいたい聞いた上で森林組合へ。良さそうな木材が必要な数ありそうだったので、買われてしまって涙なんてならないように、とりあえず確保。見積りをお願いして、後はヤスダさんにお任せ。 
 
 作業日になって椎津城跡の東郭(ひがしくるわ)に行くと、きれいに木材が並べられている。ヤスダさんが軽トラで運んだのだという。もちろん積み込み、下ろしも一人で。長さ4m超、厚さ4cm余りのヒノキ。1枚でも結構重い…。 これはお疲れ様でしたっ。

Chap.1 すぐに塗る!と、思うなかれ

まずは刷毛ではなく、ブラシを持つのです

 本日の作業は、防腐剤を塗るまでとのこと。こういう単純作業のときだけ腰の軽いPeーは、早速、刷毛(はけ)を持って、餌を待つ犬のように防腐剤が配られるのを待ちます。すかさずヤスダさんが、まずは汚れ落としだからね…。とやんわり釘を刺してくれました。そうですよねぇ。
 タマル会長とウエノさんが作業開始。あっという間にきれいに。
 おもむろに竹藪に近づいたヨコオさんはなにやら作業中。

Chap.2 現場作業は段取りが全て

 きれいになった木材はサイズが2種類。幅が細い方の木材をキタジマ副会長が中央付近で切っていきます。これを現地では鎹(かすがい)でつないで説明板周辺の人が滞留する場所の足場にするそうな。

副会長によりまっぷたつに

 ヤスダさんがその間にどんどん道具を軽トラから出して並べてます。
それぞれの工程ごとになっている! 作業がわかっている人じゃないとこうはいきません。段取りの鬼ですな。おかげで作業がスムーズ。
 ペンキを入れる受け皿状のトレーにはビニールがかけてある。トレーの掃除を簡略化するためだそう…。 やはり鬼。

刷毛、小道具
鼻血がでるぐらい威力絶大 ローラーとトレー

Chap.3 日が暮れちゃうよ

 道具と木材の準備が整って、いよいよ防腐剤を塗る段になって、Pe-がハケを持っていると、そんなことには目もくれず、タマル会長は、ローラーと防腐剤の入ったトレーを掴んで、さっさと作業開始。刷毛でこちょこちょ塗ろうとしていたので、唖然。ものすごくローラーだと早い! しかもきれい! 刷毛で塗るものだと思ていたと告げると、それじゃ日が暮れちゃうよと。そうか、1本の板で6面も塗るのか! 今頃気づく。

躊躇無い会長のローラー

Chap.4 鬼だらけ

 一通り防腐剤をローラーで、細かいところを刷毛でぬったら、一度乾かして、2度塗りを実施。色がだんだん飴色からこげ茶色に。乾燥する前だからかもしれないけど、斜めに射し込む冬の太陽も手伝って、なかなかきれい。
そして臭い。ある年代以上なら知っている匂い。木製電柱や木製枕木の匂いだ。服についたら大変。

板を重ねても乾燥が進むように割竹を

 作業も終盤なので、2度塗りしたら、後日もう一度塗るまで、この場で乾燥するとのこと。板を積むときにどこからともなく割竹が用意された。ヨコオさんだ。作業序盤の段階で、こうなることを想定して、竹を切ってきて割っていたらしい。そういえば、みんなで汚れ落としをしているときに、竹藪脇で作業してたな。これを作っていたんだ! ここにも作業の鬼が!

出来上がりがきれいで臭い

 板を重ね終わったら、整然となっていて、とてもキレイな仕上がり。そしてやっぱり臭い。ものすごく。あとは年明けの三度塗りまでこの状態で乾燥、と、思いきや、なにやらシート状のビニールをかけ始めました。乾燥したら雨も染み込まないから、天気は気にしなくていいし、ビニールをかけると乾燥しにくいのに。と思っていいると、明日は雨の予報があるとのこと。流石にそのタイミングでは乾ききっていない。ここにも鬼の気配。
 すべて段取りどおりに作業終了! 節分でもないのに、現場の鬼ばかりが集う東郭のひとときでした。

雨対策も万全

Chap.5 冬の2時半は夕方

 記念撮影をして時計を見ると、2時半。眼下の住宅は、薄いセピア色になって、夕方みたいです。
 まもなく冬至。まだまだ寒いけれど、太陽だけは春にむけてシフトする感じがなんだか理由のない期待感で心地良い。
 談笑後、鼻の奥が少しツンとして、思わず見上げた空は、目前にあるように均質に見えて、それでいてどこまでも続いているような、霞んだ青色に見えました。

本日の作業はこれでおしまい

エピローグ

 作業終了後に、ヤスダさんがアンケートを回収するというので、金魚のフンのごとく、後について行きます。
 ヤスダさんは定期的にアンケートを回収しています。今日はどうかと回収箱をのぞくと、奥に何かが…。

今日はどうかな

 よく見ると、ヤモリ。いつからいたんでしょ。小さいけど家を守ってくれてるのでしょう。いつまでいてくれるか分からないけど、冬の寒さがしのげるといいね。

春までいたら名前をつけよう

 アンケートを思い立ったのは、城跡を見学に来てくれる人は確実にいるのに、どんな人が、どのくらいの人数、いつ来ていてるのかわからない! それから何といっても、見学して、どういうふうに感じたのか気になる! ということで、ヤスダさんが発案、作成、管理、集計しています。
 
 アンケートの回答は様々な内容がありますが、それは別の投稿で。
 
 でも、ここでお伝えしたいのは、アンケートで書かれた事に対する会の反応を、書いてくれた見学者や、椎津の人たちになんとか示したい、ということが、この「椎津しろあとラボ」を始めるきっかけのひとつになったということです。
 
 いろいろ感謝です。

西郭(にしくるわ)遊歩道設置 2-2 につづく


アナログな温かさ

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