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人工社会とマルチエージェントシミュレーション

人工社会とマルチエージェントシミュレーション

こんにちは。経済学AI研究会 マシンエコノミクスの代表のSです。

今回は前回の続きでもう少し人工社会について詳しく書こうと思います。

さて人工社会とは主にコンピュータ上に仮想社会を構築し、それを用いて現実の様々な事象をモデル化しようというものでした。

人工社会はマルチエージェントシミュレーションと呼ばれる手法を用いて研究されることが多いです。

マルチエージェントシミュレーションは各々独自の行動ルールを持つエージェント(AIのようなもの)を多数配置して、それらを用いて現実の様々な環境をコンピュータ上に再現し、複雑な事象をモデル化しようとするような試みです。

そのマルチエージェントシミュレーションを特に社会科学の研究に応用したものが人工社会です。

このマルチエージェントシミュレーションは

複雑で簡単な式では各々の行動を上手に描写出来ない時、

各々のエージェント同士が相互作用してゆくような環境などを分析する際

等に有効です。

ところで経済学の分野に複雑系経済学というものがあります。

複雑系経済学入門という本の447pには以下ようにあります。

ここでアーサーたちは、以下の複雑系アプローチとして以下の六つの特徴を挙げている
(1)異質な主体間の分散的相互作用
(2)経済全体の管理者の不在
(3)絡み合う交差的ヒエラルキー
(4)進化する主体による継続的適応と学習
(5)不断の新規性
(6)最適性とはことなる均衡外動学


まさにこのマルチエージェントシミュレーションは複雑系アプローチを行うのにピッタリな手法ですね。


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