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職業としての小説家を読んで

クリエイターとしてものを作るときに参考になる点が多かったのでコメントを添えて残しておく。
本文と自分の意見をごっちゃに混ぜてるのでその点についてはあしからず。

またこういった他人の製作に対する考え方への付き合い方は、読んで感心したままではなく、すぐ使ってみること。困った時のドラえもんのお助け道具のようにひっぱり出せるところに置いておくこと。使ってみて自分に合うか試すのが重要である。
そうやって少しずつ自分の手法の体系化させていけるとよいと思う。

・オリジナリティとは
自分に何かをマイナスしていく、という作業が必要。情報が多ければ多いほど端々に振り回されてしまうから。
不要な情報を排除して残った物の判別の仕方は、
それをしている時楽しいと思えるか?を基準にすること。楽しさを邪魔している要因を排除する。

論理的に一貫性を持って作るのではなく、自由に好きに作っていった衝動的なものの産物、つまりワクワクしながら作ったもののこと。
自分が何を求めているかを考えるとフットワークが重くなってしまうから、何かを求めていない自分を想像すること。何も求めていなければ自由に創造ができる。

・小説家になるには
小説家であれば本をたくさん読むこと。つまり作る対象のあらゆる型を自分の体に染み込ませること。良いものも悪いものもなんにでも触れること。審美眼を養うようなものだろうか。

周囲の物事を詳細に観察して考えを巡らせること。巡らせて結論は後回しにすること。その時々の判断は状況によって正しかったかどうかが変わっていく。そのため、いろんな側面から見て考えて結論を出さないことで状況に応じて多面的な解決策が出せる。

マテリアルをありのままに記憶する余地を作っておく。全てを記憶するのではなく、興味深い幾つかの細部のみを記憶すること。
できればうまく説明がつかないものがよい。(何かしら自分に引っ掛かりがあるもの)
ノートにメモを取らず、そのまま頭に放り込んだ方が良い。ノートにあると安心して忘れてしまう。きちんと整理されたものより、雑多な脳内のキャビネットから引っ張り出して組み立てた方が小説が活き活きしている。そうして蓄積させた脈絡のない記憶がイマジネーションになる。

ありあわせのもので頑張って書くしかない。
何も思い浮かぶ物がない時は、自分が持ってるありあわせのものでなんとかするしかない、それらで作るために新しい文法を自分なりに模索する。

普通ではない経験をせずとも、自分が経験してきたものだけで作れた方が重いテーマを使わずに作れて楽だったりする。

・時間を味方につける、長編小説を書くには
長編小説を書くと言うのは膨大なエネルギーがいるので、小説を書く以外は何も書かない状態をつくる。それに集中する。
毎日、何ページ書くと決めて必ず実行する。気分が乗っても、中々文章が出なくても、規定のページ数を必ず埋める。長い仕事をするには規則性が必要。コンスタンスに行う。
一度書いたものを、がっつり壊して作り直す。即興で感覚的に書き進める方が面白い。その後に辻褄が合わないところを調整する。
これをするには最短工程で作品を作り切ってから何度も直していく、と言うことが必要。

書き直してある程度できたら長い時間寝かせる。(半月から1ヶ月くらい)時間を置くことで頭がリセットした状態で客観的に作品を見ることができる。
その後、率直に感想を述べてくれる相手に見せ、批評を受ける。必ず感情を吐露しきる程、本音で討論すること。(作品を洗練させると言うこと)

指摘されたところは言われた通りにするかしないかはさておき必ず直す。そこには何かしらの違和感があるから。改善されるまでやり直す。

そうやって時間をかけて何回も直された作品は強度を持つ。

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