真夜中の
本屋で装画が目に留まってついつい手に取ってしまう。
本好きならそんな経験を何度かしたことがあるはず。
御多分に洩れずそんな調子で今作を手に取りました。
読み終えた感想としては、、、
なんか自分に合わない。言ってしまえばそこまで心躍る読書体験ではないと感じてしまいました。
しかしこの本が不思議なのは最後まで読み切らせる力。何かに取り憑かれているかのようにページをめくってしまう。心の中に天使と悪魔がいて両手を引っ張られるような気分でした。
その後しばらくは特にこの本のことを考えていなかったのですが、ある時湯船に浸かっているとふとこの本を思い出しました。
一見多様性をフックにした恋愛小説にも見えます。しかしそこに見えるのは人対人の苦しさと美しさの表裏一体。
我々というより私自身がやりがちな人間関係をそこまで拡張せず、それを先天性やむしろ長所とまで捉える思考。酷く刺さりました。
多様性という名の逃避ではない。真っ向からぶつかる混じり気のない自然体。
私の人生観をふっと浮かせて向きを変えてくれた。そんな一冊でした。
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