真赤な子犬読了
小説を読了した。手に取ったきっかけは思い出せない。たぶんふらりと立ち寄った本屋でタイトル買いしたと思われる。カバーを外すと表紙は特段好みではなかった。
1959年刊行。古い本だ。檸檬をいつか読みたいな、と憧れを抱いていたことを思い出す。なお、真赤な子犬はミステリである。
今とは違う言葉遣いで語られる本書はするすると読み進められる種類の小説だ。丁寧だが細かすぎない人物描写、個性的なキャラクター、テンポの良い進行。少し前の時代の品の良い街並みを想像しながら奇妙な事件について考える。
章立てがアルファベットのAから始まりZで終わる様に構成されており、物語のどの辺りにいるのかわかりやすいのも良い。読者は始めに事件の8割を目撃しており、だいたい理解したつもりで読み進めるのだが一向に表題の赤い子犬の役割も事件の真相も分からない。謎を抱えたまま終盤までたどり着いてしまい、いよいよ謎が解き明かされた時に膝を打つ。こんなことに振り回されていたのかと。
暖かみがある軽めのミステリを楽しみたい方におすすめです。季節はちょうどクリスマスなのでこれからの季節にぜひ。
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