満席な治癒者場

今日も治癒者場は満席で
傷を負った人で溢れてる
気付けば僕も常連さんって呼ばれてる

いっせのーせで
違う世界に飛んでく

心の中で輝いている物は
気に入ってもらう為には重荷になって
気がつけばゴミ箱の中に放り込んでいた

全てがどうでも良くなっちゃう
2人で会話をしよう
優しい香りを纏ったジャケットを脱いで

生きるという事は変態だよね
時代のせい
なんて言ってたらもう終わりは近い
そして
生きる事から一旦離れてみる

ゴミ箱に捨てた想いはまだ生暖かい
リサイクルして誰かに届くなら
例え綺麗事だとしても

追い抜かれて笑われて
昔話のあの亀は
小さな幸せを噛み締めて進んでた

そんな暮らしに憧れては
違う物を探求して
いつになれば自分を好きになれるだろう

もう全てがどうでも良くなっちゃう
分かり合える人なんていない
優しい香りを纏った痛んだジャケットを着込んで

懐かしいあの治癒者場は
今日も満席らしいから
もう戻るわけにも行かないから

痛みを感じる程の風を受け
小さく一歩を踏み出した

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