文書題No.9

ーー数学の文章題苦手やねん
なんで国語の「次の文を読んで、後の問いに答えなさい」のあの長い文は読めるのに、数学の多くて5行が読めないんやろね???

1数学方言(または、数学語)
中学校ではあまり気にせぇへんけど、「テキトー」と「適当」の意味ちゃうねん
テキトーな三角形
:なんでもええん?(と言いながら)
正三角形もありなんかぁとんがってていいの?
適当な三角形
:不等辺三角形、鈍角三角形描いたろ
平面だけなんよね、曲面とか空間はあかんの?


T:「角」と書いてなんて読む?
S:かく!
S:かど!
S:つの!
T:数学の時間だからって「かく」と読んだけどホンマは「かど」って読んだんちゃうん?

T:机のかどに腰ぶつけて痛い
T:あそこのかど右に曲がって…
T:あそこの緩いかどを…

生活のしている中ではどちらも使っているけど、数学では、2辺に挟まれた範囲の広がり具合やからね

T:1塁から2塁と2塁から3塁のかく度って違うんやね!ね!野球部?
T:勾配の急な坂と緩やかな坂、かくがちがうよね!ね!野外活動部?
S:でた!部活イジリ
T:いえ、知識豊富と思われる方への確認です!

T:「つの」は鋭角しか許してないんちゃう?
トンガってるって、アイガー北壁…ね!野外活動部?
10度あったらキツイもんなぁ。20度なんて登られへん。というか下りるのツライ。30度超えたら雪崩の危険!
野外活動部は角度でなくて「傾き」、「何m進んだら何m上がるか」やもんな

「追いつく」
:「追いつく」って何よ?なんで姿が確認できたとき後ろからでも「おぉい、忘れもんやで」って言わへんの?後ろから自転車の気配感じたら振り向けへんの?
:「追いつく」って何よ?進んだ距離が等しいということを示しているんだな

朝、お父さんは牛乳を2L飲みました。その後3L飲みました。お父さんは何Lの牛乳を飲みましたか?
ーーお父さんはトイレから出られなくなってそれどころではない
T:うっ、正解かも?!

そのコミュニティの中で伝えるのに必要かつ十分な情報しかないから5行で収まる。
文章題を読むものがコミュニティに入ってるものとして作問するから「ソレハ ナンノコトデスカ?」になる。そのコミュニティに入る通過儀礼、イニシエーション。だから頭をどつかれたような感覚を覚えて大人の階段を登ることになる。
スロープつけてくれとか、エスカレーターつけてくれに応じない!上から「這い上がってこい」という声掛けしかない。中1ギャップより辛い


2不親切(同じことを言葉を換えていう、なんてことはしない)
「爽やかな朝」とか「清々しい顔で」とか、「困った顔で俯いた」なんて書いてない。
「昨年の5月から、すなわち18ヶ月ぶりに」
なんて重ねた書き方や説明してくれることもない。最小限の情報しかない。
「マナブさんとシノブさんが…」も不必要な情報のうちかもしれない。

文章題ではないが、平行四辺形の2辺の長さと片方の高さでは、どちらかの辺の長さはダミー情報だ。

「出会う」「追いつく」は距離が等しいということです。
なんて言い換えもしてくれない!
空気の読めない人が文章題が読めなくても仕方がない。
そこで、
①空気を読む練習として、文章題を読む。
②情報整理の練習として、文章題を読む。
③わからないこととわかることから必要な情報を聞き出す練習として、文章題を読む。
④わかることを説明する練習として、文章題を解く。
と、細分化して何が苦手か自分を知ろう!
という課題に取り組んでるんだと思いましょう。

3 国語の文章題とどう違う
⒈まず、中学校の方程式の文章題では、必ず4つのことが書いてあります。他の領域でもよく似たパターンなので、この方言に慣れたら領域展開していってくださいね(読む)
①場面設定
②わかる量とわからない量
③等しい関係
④答え方の指示

①場面設定
追いかけるのか、三角形を積み上げるのか…
突然ですが、その世界線に入ってください
②わかることよりわからないことの方が重要です。しかし、「私、わからないのー」とは言えません。何がわからないのか、探ってあげてください
③中学校では、等しい関係か、大小関係か、比例の関係か、など2つの量を比べて式を作ります。(2つの量の間に「=」がある)
計算しなさい。計算してみる。
(次から次から左端に「=」をかく」
これは、他の領域では異なることがあるので、領域展開してください
④「それぞれいくらですか」→「◯円と△円」
「兄はいくら払いましたか」→「◯円」
「どちらがどれだけ…」→「兄が◯円多い」
という指示があります。
文章題が、さぁっぱりわからなくてもここだけは読み取れるんじゃないでしょうか。
コミュニケーションの練習です。

⒉次の文章を読んであとの問いに答えなさい
①「これ」は何をさしていますか?
②「長く」とあるのはどれだけですか?
…」
と小問がありますが、中学校の方程式の文章題では、毎回小問を省略しています。(読む)

①わからない量は何ですか?
②等しい関係はどこにありますか?
③どのように答えればいいですか?
④では、①〜③を踏まえてあなたの考えたことを書きなさい。(表現)

いつもこのパターンです。全てです!いつもです!
そして、①〜③の質問を省略するから生徒には難しいし、私には指導のポイントが見えないのです!!

書くのがまどろこしい生徒はわかりきったことを丁寧に書きたくないんで、書きません。
ここで、書かないのか、書けないのか指導法が変わります。

このパターンを知れば、点数は取れます。しかし、数学がわかったのでしょうか?できたのでしょうか?表現できたのでしょうか?

テストがラスボスで終わり!!
になってませんか?

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