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俳句幼稚園7 春~秋 十句


 がに股のバルタン星人春の星


 畑を打つ老父尻餅つきにけり



 聖五月本の栞は鬼の舌


 山寺に甘き落書きサイネリア


 夏の朝夏の窓から夏の海 


 読まぬ本ばかり重ねて大昼寝


 河童忌に祖父の話を思ひ出し


 ともだちはたぶんゐないよ夏の果て


 鳳仙花恋も弾けてしまひけり


 飲み会も労働時間ましら酒


 酒呑んでゴッホのやうな星月夜


 

  てふてふなどに投稿した十句です。
 バルタン星人はなぜか春の星が合うとおもいました。深い意味はなくユーモラスで不思議な夜のイメージです。
尻餅ついた父は実際には田んぼです。通りかかった近所の人に手を引っ張ってもらったそうです。
 鬼の舌は人間の干からびた情念のようなものを現しました。
山寺行ったらたくさんの落書きや名刺が挟んでありました。名物なのでしょう。
 夏の海は3つ重ねて強調してみました。
 河童忌は本当に祖父に河童の話を聞かされました。
川辺でこの缶詰めの殻は河童が食べたのかもしれないとか、夜になると川の中にいる河童の目玉が光っているだとか。
 祖父の子供のころは日常的に河童がいたのでしょうね。


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