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曲から一句②2句2首 愛・おぼえていますか



 目と目合ふその瞬間に流れ星


 失恋の涙もやがて冬銀河


 人類のラブソング聴く異星人100万年後のどこかの星で

 探査機に積んであるのはラブソングいつか誰かが聴く日のために

 

 50万年周期にわたり大宇宙で抗争を続ける巨人族の二大勢力、男のゼントラーディと女のメルトランディこれに地球人類が加わった三つ巴の戦争もいよいよ最終局面を迎えようとしていた。
劣勢に追い込まれていた地球人類はついに起死回生の奇策に打って出た。
超時空要塞マクロスの艦橋から宇宙空間へアイドル歌手リン・ミンメイの立体画像が投影され彼女が大昔のラブソング「愛・おぼえていますか」を歌った。
すると戦闘中の男女両軍の巨人兵士の遺伝子に秘められたカールチューンが呼び起こされ混乱に陥る。
歌い終わったリン・ミンメイはこう言った。
「みなさん、聴いてくれてありがとう。わたしね、生まれてはじめて好きな人が出来ました。そして告白したんだけど見事にフラレちゃいました。とても悔しいけどこれからは歌をもっと頑張ろうとおもいます」
立体映像にはバルキリーのパイロット一条輝(いちじょうひかる)と管制官早瀬未沙(はやせみさ)が手を繋いでいるところが映し出される。
これを見た両軍のパイロットは更に混乱状態に陥った。

ゼントラーディ軍巨人司令官「これは一体どういうことだ?」
賢い副官「マクロスからデータが送られて来ました。それによるとバルキリーパイロットの一条輝が歌手リン・ミンメイの告白を断り早瀬未沙という乗組員と結ばれたそうです」
巨人司令官「デ・カルチャー!地球人とは愚かな種族なのか?リン・ミンメイの方が若くて美しいのに。その早瀬未沙という女は地味なおばさんではないか!」
副官「同感です。私なら両方と付き合いますが。地球では両手に花と言うそうです」
巨人司令官「これがプロトカルチャーなのだろうか?」
副官「とにかく前線の兵士たちは戦闘どころではないようですよ」
巨人司令官「仕方ない。一旦休戦してその一条輝というパイロットを呼んで話を聞こう」
副官「賛成ですね。なぜ容貌の劣った女を選んだのか私も知りたい」

 通信傍受でこの会話を聞いていたマクロス艦内。
シャミー「まったくひどい言われようね。ごめんね早瀬さん。こんな作戦実行しちゃって」
ハンカチで涙を拭う未沙。
「いいえ、私がお役に立てて光栄です。これで戦争が終わってくれれば。それに…何と言われようと気にしません。一条君さえ側にいてくれたら」
艦長「たった今ゼントラーディ軍及びメルトランディ軍より休戦の申し出があった。そして一条輝と会見したいと言ってきた。頼めるな?」
輝「はい、喜んで」
艦長「よし、ゼントラーディ艦隊の旗艦へ行き愛について語ってこい。早瀬大尉、君もだ」
未沙「了解しました」
艦隊「一条君、一番最後に重要な任務…」
輝「分かってます。未沙さんとキスするんでしょ。任務じゃなくてもやりますよ」
真っ赤になってうつむく未沙。
シャミー「ふふ、最後の任務がキスとはね。あいつらびっくりするだろうなあ。でもこれで戦争が終わる」

こうして人類と異星人との長年に渡る戦争は一組の男女の三角関係とともに終焉したのだった…


※超時空要塞マクロス愛・おぼえていますかのパロディです

見据茶(みすてぃ)さんのこの記事のコメント欄から書くことになりました。












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