笠原征夫の【一問一答】最高の親孝行とは

代表の笠原が読者や社員からの悩み相談に答えていくコラムです。
仕事・プライベートにかかわらず社員のみなさんの悩みが少しでも解消され、みなさんのより良い人生と更なる成長につながることを願って定期的に綴っていきます。それではいただいたご相談に答えていきます。
【質問】

両親が高齢に。
死ぬまでにしてあげることは何かと考えることが増えました。
最高の親孝行とはなんでしょうか。
（30代後半、男性社員）


【答え】

まず、親孝行の土台は、親に労苦を払って自分を育ててもらったことへの感謝と、それに基づく恩返しの気持ちだと思います。

その意味で、ご両親に感謝の気持ちを言葉で表現することは大切だと思います。人にとって、自分の生きる意味・価値・存在意義を感じることは、非常に大切であり、心身の健康等を助けるとされています。ご両親にとって、息子さんに感謝されると言うことは、いろいろな苦労をしながら息子を育ててきた自分の人生の価値・意義を感じてもらうことに他なりません。

また、親が自分を育ててくれたことへの感謝と恩返しを通して、親の価値を認めることは、親が自分を生み出し育てた存在であるがために、心理的に、自分自身の価値を認めることにも繋がります。

自分と親は繋がった存在だから、親の肯定は自分の肯定となり、親への感謝は、親と自分の双方を愛する行為になります。脳科学においても、感謝された時と感謝する時に、エンドルフィンという幸福ホルモンが分泌されると言われていますが、これは、心身の癒し、鎮痛効果、細胞の再生、抗癌作用といった健康効果や、記憶力・目標達成力に関係する脳の海馬の活性化をもたらすとされます。

具体的に、どんな恩返しをするか、親孝行をするかについては、月並みの一般論ですが、自己満足ならないように、まずは、今のご両親の状態・ニーズをよく把握することから始め、たとえば、健康に生きることを助けるようなものなどがいいのではと思いますが、これに限らず、要点は、まず相手の状態を理解し、相手の立場に立って、考えるということでしょう。

また、親への直接の恩返しだけが親孝行ではないと思います。貴方が、他者や社会に貢献をするなど、よりよい人生を送ることによって、ご両親が貴方を育てた価値を高めることも、重要な恩返しだと思いますし、実際に、それこそが、ご両親が望んでいることではないかと思います。

その中には、ご両親の長所をと思うものを自分の見本として、継承していくことも含まれていると思います。さらにもう少し言えば、ご両親の欠点・問題だと思うことがあれば、それを自分の反面教師としてよく自戒して、自分は繰り返さないように努めることも、ご両親の人生を無駄にしないという意味では、重要な恩返しではないかと思います。

素晴らしい一日をお過ごしください。