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笠原征夫の【一問一答】十人十色

代表の笠原が読者や社員からの悩み相談に答えていくコラムです。

仕事・プライベートにかかわらず社員のみなさんの悩みが少しでも解消され、みなさんのより良い人生と更なる成長につながることを願って定期的に綴っていきます。それではいただいたご相談に答えていきます。

【質問】
十人十色 百人いれば百人の正義があり、様々な人が様々な立場、主観が交わる際に、多様性の時代とすべてを尊重していてもまとまるものもまとまらない。
すべての人がプラスに働く、(幸せになる?)判断軸というもののアドバイスがあれば頂きたい。
(30代男性)

【答え】
普通は、何が正義かという各人の主張の裏には、やはりその人の自己利益と言うのがあると思います。
人は、自分が好きなことを正しいと思いたいし、嫌いなことを悪だと思いたいという欲求があります(心理学でいう確証バイアス)。
それが、何が正義かの判断に、それぞれの主観が入り込んで、結果として、意見の対立(及び利害の対立)が生じる結果となるのではないでしょうか。

すべての人が、自分の目先の損得ではなくて、自分と他者の全体の長期的な利益を考えることが自分を含めた各人にとって本当の利益であると言う道理に気づくことができれば、自ずとまとまると思います。しかし、現実の世界には、それぞれの生まれつきの資質や生い立ちの環境などがあって、この道理を理解する程度に差があると思います。

そして人類全体では、こうした理解には至っていないと思います。人と人の間に限らず、国家と国家の間にも、それぞれの正義・世界観による対立が溢れています。だとするならば、この世界、人類社会とは、人が、人類全体が、自分の主張する正義・価値観によって行動して、それぞれが色々な失敗をしながら、それを反省改善して、徐々に成長する経験の場という解釈ができないかと思います。

ある意味で、苦・楽、成功・失敗、対立と和解を経て成長する道場のようなものではないかということです。
つまり、人は、そもそも最初から完全ではなく、不完全に創られたものであることは確かですから、無智による間違った行動、失敗、苦しみを経ながら、徐々に成長して行く存在と考えるのです。未熟な子供は、色々な経験・失敗をし、他人に迷惑をかけながら、徐々に大人になっていきますが、そうした未熟な子供に対して、長期的な視点から愛情(尊重の心)を持って育む親がいます。

また、こうした見方に基づけば、それぞれの人間は、それぞれに役割を持っているとも言うこともできると思います。
人々は、協力的な関係ではなく、対立関係にあったとしても、長期的に見れば、例えば、他人の良いところを教師として、悪いところを反面教師して学ぶ面があると思います。

対立して、妬んで憎みながらも、他者の長所・強さを学び取り、他人に自分の短所・弱点を攻撃されて憎みながらも、自分の問題に気づいて成長し、切磋琢磨しながら成長しているとも解釈できると思います。
こうした、長期的な視点と大きな心で、社会とその時代の流れを見守りながら、その社会の一部である自分の周辺になるべく善を及ぼすことに自分は努めるという考え方が出来ると思います。

社会の一隅(ひとすみ)を照らす者となれ、という高僧の言葉が指針になれば幸いです。

応援しています。
素晴らしい一日をお過ごしください。

笠原


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