イスラエルに行ってみた

この記事は、私が旅行者として実際に行った場所などの経験について書かれています。イスラエル/パレスチナいずれかの立場に与するものではありません。

はじめに

去年パレスチナに旅行に行ったときにイスラエルにも行ってきました。イスラエルは2回目。そのときの印象を書きます。
行ったのは次の場所。

  • エルサレム
    そもそもエルサレムはイスラエルなのか?という意見もあるかもしれません。ただ、現在西エルサレムおよび旧市街を管理しているのはイスラエルです。今回は主に西エルサレムの印象のことを書きます。
    東エルサレムは、パレスチナ人が多く住んでおり、西エルサレムとは大きく印象が異なります。

  • テルアビブ
    イスラエルに行く人はもちろん、パレスチナを旅行する人の多くはテルアビブ空港を使います。なのでテルアビブはそのついでに立ち寄ることができお手軽です。

行ってみたらこんな風だった

土曜日という落とし穴

現地に土曜日に到着するフライトはなぜか安いのです。もちろん私は土曜日着のチケットを買いました。しかし安いのには理由がありました。
土曜日は公共交通機関がないのです。休日ダイヤ、とかではなく、全運休。私はテルアビブ空港から電車でエルサレムに行こうかと考えていたのですが、電車はありません。
土曜日がユダヤ教の安息日(シャバット)なのは知っていましたが、まあ我々の日曜日の厳しいバージョンみたいなものだろうぐらいに考えていました。だから電車は本数は少なくても何かあるだろうと。でも、何もないのです。
なんとかエルサレムに着いても(後述)、エルサレムの市内トラムもバスも運休。市街にある、トラムの線路もある石畳の片側2車線の大通りには自動車もなく歩く人もまばら。あたかもゴーストタウンのよう。
まあでも、うまく出来ていまして、代替手段はあります。たとえば、空港には飛行機が行き来しているわけですし、そういう人たちがみんな自家用車で来ているわけでもない。なので乗り合いタクシーが走っていて、空港と東エルサレム市街を結んでいます。西エルサレム市内も、まばらながらタクシーは走っています(需要が高いのでふっかけられますが)。
西エルサレムの市街地のお店も土曜日はお休み。買い物とか食べ物とか困るんですが、これにも抜け道があり、東エルサレムに行くとふつうにお店もレストランも開いています。バスも走っています。東エルサレムに住んでいるのは主にパレスチナ人で、その大半はムスリムだからです。ムスリムにはシャバットは関係ありません。
安息日のきまりごとは思っていたよりも厳格なようです。労働絶対禁止。
エレベーターのボタンを押すのも労働なのでダメ。じゃあエレベーターに乗れないじゃんと思うのですが、それはテクノロジーで解決しており、土曜日のエレベーターはすべての階に自動で停止してくれます。
ホテルとかタクシーとか、休めないお仕事もあるかもしれません。そういうお仕事は、土曜日にはムスリムの人がシフトに入ります。ホテルの受付が違う人になることから始まり、ロビーの音楽がオリエンタル調になったり食事の味付けが変わったり、自己主張していました。
ユダヤ教の人たちは、土曜日は家族で過ごします。旧市街に大きなシナゴーグがあり、そこに行く方たちも多くいるようです。土曜の夕方になると、旧市街から新市街のほうまで皆さんが歩く長い列が見られます。交通機関がないので歩くしかないですし。

ヨーロッパ風な街並み、でもコーヒーは中東風

エルサレムの新市街もテルアビブの繁華街も、街並みはヨーロッパそのまま。石づくりの建物に石畳で、こぎれいです。
食事は中東風です。香辛料とか上手に使っていて、それはそれでおいしいです。
コーヒーも中東風。粉をカップにいれ、そこに熱湯を注いで飲むスタイルです。コーヒーを飲みたくてネスカフェのようなものを買って飲んだところ、それはネスカフェのようにパックされたコーヒー豆の粉でした。中東にはコーヒーの粉をカップに入れて飲む文化があるのですが、イスラエルのコーヒーもその流れにあるようです。

キッパ

ユダヤ教徒の男性は、頭に小さいお皿の形をした帽子のようなものを身に着けます。キッパといいます。
エルサレムのトラムに乗ると、ほぼ全員みごとにキッパをかぶっています。服装はヨーロッパや日本でもみるようなカジュアルなブランドだったりといたって普通なのですが、キッパはつけます。アメリカ人観光客のようなひとたちもつけています。自分だけつけていないので、なんか気まずく感じました。キッパは日常に溶け込んでいるようで、街角にはおしゃれキッパ屋がいくつもありました。

アメリカ人

アメリカ人旅行客が多いです。ほかのヨーロッパ各国からの旅行者もいるのでしょうが、よく見かけたのはアメリカ人。観光かもしれませんし、巡礼かもしれません。
いかにもアメリカ人観光客という格好の人も多いのですが、好んで地元の人のような格好をする人も多いようです。ユダヤ教の人たちには推奨される服装のようなものがあるようなのですが、そのような服を着ているアメリカ人旅行者もいます。街の情報でも聞こうかとホテルのロビーでコーヒーを飲んでいる地元のおばさんのような人に話しかけたところ、アメリカ人旅行者でした。これからダラスに帰るのよ、とか言われました。
地元の人たちの英語もアメリカ英語。外国人が話す英語という感じでは全然なく、アメリカ人のアメリカ英語という印象です。これは現地の英語教育の成果なのか、それともそういう人たちはアメリカ出身だからなのでしょうか。
ともあれ、そういう人たちの英語は流暢です。美術館に行くとインフォメーションにおばあさんが何人かで座っていて、私のような観光客が行くと、あれやこれを見て行けなどといろいろと説明してくれます。そのおばあさんたちの英語が流暢なアメリカ英語なのです。

とんこつラーメン

イスラム教で豚肉を食べるのが禁止されているのはよく知られていますが、ユダヤ教でも豚肉を食べるのは禁止です。レストランで幅を利かせているのは牛肉で、豚肉はメニューにありません。
ところで、世界各地で日本のラーメンが流行っていますが、それはイスラエルでも同じ。ラーメン屋さんがあちこちにあり、日本人の方がシェフをされているお店もあります。私もいただいてきました。普通に日本のラーメンで、おいしかったです。
で、ラーメンと言えばとんこつ。ここイスラエルは、人口の大半がユダヤ教徒だったりムスリムだったりする国にもかかわらず、お店によってはとんこつラーメンがあり、地元の人で混んでいます。一番売れるメニューが豚肉とんこつラーメンとのこと。地元の皆さんには禁断の味として人気なのだそうです。

空港でのインタビュー

テルアビブ空港から出国する外国人にはインタビューが課せられます。いうまでもなくセキュリティのためです。
インタビュー自体は空港内の通路の適当な場所にあるカウンターで受けます。横に人がどんどん行き来するような所。カジュアルそうな雰囲気ではあるのですが、インタビュー自体はものすごく厳格です。
質問には端的に答えなければいけません。質問自体は、どこに行って誰に会ったのかなど、別に難しい内容ではありません。ただそれら聞かれた質問に対してだけ端的に答える必要があります。向こうは真剣です。カジュアルに受け答えしたり聞かれてもいないこととか話したりすると、別室行きになります。ただ、見ているとけっこうな人が別室行きになっていますので、そうなっても別に恐れる必要はないです。別室で質問に端的に答えればよろしい。
あと、先方さんはインタビューされる我々の目をじーーっと見ます。見つめてきます。目の動きや瞳孔の大きさとかで怪しいかどうかを見分けると聞いたことがあります。私たちが日常生活で知らない他人からじっと見つめられる経験はそうそうないですが、この場面でも目をそらさずじっと耐えていなくてはなりません。

おわりに

目に入る第一印象ではヨーロッパのような雰囲気なのですが、よく見るといろいろと独特なものが見え、旅行者視点では興味深く感じました。

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