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ものづくり 日本の心

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日本のものづくりは世界の財産です。私たちはなぜ、こんなにコンパクトでこぎれいなものを作るようになったのでしょうか。ご意見をお聞かせください。
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2023年4月の記事一覧

029.未だ創造的能力を誇る能はず

 この後、日本はいまだ創造的な能力に欠けるところはあるが、良い点は積極的に取り入れていく…

梶文彦
1年前
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030.日の丸…昇る朝日の尊き徽章

伊藤博文は、スピーチの最後を、誇らしげにこう締めくくります。ここがこの日、伊藤が一番言い…

梶文彦
1年前
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031.「超ド(ドレッドノート)級」戦艦の完成

さて、維新後に政府は殖産興業・富国強兵をすすめる政策を展開し、戦艦づくりを目指して1857(…

梶文彦
1年前
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032.世界のパラダイムを変えた日本のものづくり力

西欧を目指して追いつけ追い越せで突き進んできた日本は、その猪突猛進の勢いのまま第二次大戦…

梶文彦
1年前
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033.ブータン・ワンチュク国王のメッセージ

2011年11月17日、日本を訪問したブータン王国の若きワンチュク国王は国会で演説を行いまし…

梶文彦
1年前
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034.ものづくりの通奏低音を聴きとったペリー

幕末から明治にかけて、わたしたちが西洋の科学技術を取り入れようとする以前に、私たちの中に…

梶文彦
1年前
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035.ものづくり――やまとことばの融通無碍さ

ところで、いまさらなのですが、ここで、ここまで書いて気になっていることを処理しておきたいと思います。それは、わたしたちがよく使う「ものづくり」ということばの、表記法、記述法についてです。 わたしたちは、「ものづくり」ということばを、匠の熟練した伝統工芸の技から最新鋭のマシニングセンターによる全自動の加工、さらには子供の工作教室から粘土細工などまで、なんの抵抗もなく使っています。 単に物を加工する、つくるという物理的な行為だけでなく、その前後の発想や計画・設計、さらには準備、片

036.豊かに広がるものづくりの世界

なぜ、「とる」とひらがなで書けばよいかといえば、漢字が入ってくるまで、日本には話しことば…

梶文彦
1年前
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037.自然環境が生む特有の美意識と変化への感性

日本のものづくりの特徴として、細部の仕上げに注がれる神経とともに、現場で継続して進められ…

梶文彦
1年前
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038.“ものづくりする神”がおわす国

 こうした自然に対する感覚や美意識には日本に独特のものがありますが、働くということに対し…

梶文彦
1年前
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039.清濁を併せのむ美意識

と述べています。  美化し過ぎの感もありますがそういわれればあながちそれは違うとは言いに…

梶文彦
1年前
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028.文明の最高点に到達せんとする

伊藤は次のように続けます。  日本は、アメリカとの修好通商条約を結んだあと、イギリス…

梶文彦
1年前
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027.日本に実施せられたる幾多の改良

スピーチは主として「伊藤博文伝(上)」(②春畝公追頌会、統正社)によります。以下文中( …

梶文彦
1年前
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026.31歳伊藤博文の英語スピーチ

明治4(1871)年、岩倉使節団は最初の訪問国アメリカで大歓迎を受けます。サンフランシスコに到着した翌日の12月14日にグランドホテルで歓迎の晩さん会が開催されるのですが、その席で伊藤博文は通訳なしの英語でスピーチを行います。 1841年に長州で足軽の子として生まれた伊藤博文は秀才として名高く、青年となって吉田松陰の松下村塾で学びます。1863年に長州藩から派遣されてイギリスに留学しましたが、翌年、長州藩がイギリス・フランス・オランダ・アメリカの四国を相手に下関戦争を仕掛け