「ありがとう」って言うのはなかなか難しい。

日常のちょっとした場面、たとえばカフェやレストランで店員さんに空いたグラスに水を注いでもらったときぐらいのイメージだけれども、そういう場で軽い謝意を表すのにさらりと「ありがとう」と言う練習みたいなことをしている。別になんらかの「高い意識」みたいなことが背景にあるのでは全然無くて、どちらかというとちょっとした遊びのような感覚の方が近い。自分の中で出来るだけ守るべきルールにしているみたいな強いことではなく、そういう風に振る舞ってみようというふわっとしたロールプレイですね。

ポイントは「ありがとう」と言う、ということ。
「あ、どうも」でも「ありがとうございます」でも「すみません」でもなく、「ありがとう」という五文字。

でも、とっさのことだとなかなか出来なかったりする。やはりというか、長いこと「どうも」という便利ワードと「(お手間をかけさせてしまい)すみません(ありがたいです)」という間接的な表現を使うことに馴染んでいるので、意識する前に「どうも」「すみません」という言葉が先に口をついて出ることが多い。

普通の日本語のはずなのだけれど、誰かに「ありがとう」という五文字だけを投げかけるのって、慣れないとちょっと気恥ずかしいというかくすぐったい。「ありがという」って言うだけでちょっとした新鮮な非日常的な感覚(というと大げさだけど)が味わえるので、気まぐれにでも試してみると面白いかもですよ。

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