法事のこと。

先日、生まれ故郷にある菩提寺に、祖父の年忌法要のために行ってきた。

やろうと思えば日帰りだって出来なくもないのだけれども、飛行機の移動もあるのでゆっくりとしたスケジュールにするために、前日と当日はホテルに泊まることにして、法事の翌朝に帰ることにした。菩提寺がある故郷はまあまあな田舎なので、ホテルは空港の近くの街中にとって、当日は電車で最寄り駅まで移動してそこから菩提寺まで徒歩、ということに。

法事そのものは数十分といった感じなので、結果として故郷の滞在時間は一時間ちょっとぐらいだった。なかなか慌ただしいけれども、たとえば乗る電車を一本遅らせたとして、そこで出来ることは近くの海岸に行って海をぼーっと眺めるぐらいしかないので(それはそれで悪くないんだけれど)、とんぼ返りでホテルのある街へと戻った。

今回の法事に参加した親族は私と妹の二人で、どちらも遠方からの参加で、場所は菩提寺の本堂。今は故郷に住む親族が誰もいなくなってしまったので、こういうことになっているのですね。

お布施を包むとはいえ、たった二人の参加者のためにお寺の金ぴかで広々とした本堂を使わせてもらい、住職にお経を上げてもらう時間を占有するというのは、観客が二人しか居ないコンサートみたいで、ある意味なかなか贅沢な非日常体験かもしれないなあ、などと思いながら、数珠を手に南無南無な時間を過ごしたのでした。

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