「頼る勇気:自分で抱え込むより人に頼ろう」


師匠と弟子の対話

弟子: 師匠、最近感じることがあるんです。自分でやろうとする意気込みが強くて、専門部署に聞かずに自分で解決しようとする人が多いんです。頼むのが苦手で、時間がかかるだけでなく、誤った結果を導く恐れもあると思うんです。

師匠: なるほど、それはよくある悩みだな。確かに自分で考えて解決しようとする姿勢は素晴らしい。しかし、それにはいくつかの問題がある。まず、自分で解決しようとすることで時間がかかり、結果的に効率が悪くなることが多い。

弟子:そうですよね。人に頼むというのは、勇気もいりますし。頼むか、頼まないかを考えてしまう。それは、人に相談しにくいことで、相談したら「頼んだらいいだろ」と簡単に言うけど、本人は、そう簡単な話ではない。そして悩んでしまう・・・。

師匠:うん、わかる。それで、一人で悩むことでストレスが溜まりやすくなる。それに、誤った判断を下すリスクもある。さらに、その背景には人間関係の悩みが影響していることが多いと、山口周の『武器になる哲学 人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプト50』でも指摘している。「 『全ての悩みは人間関係の悩みである」と心理学者のアルフレッド・アドラーが述べているんだ」と取り上げている。

弟子: そうですね。確かに、人間関係が原因で頼むのが難しいことがあります。自分で抱え込むことで、一人で悩んでしまうことも多いです。

師匠: だが、悩むこと自体が仕事の本質ではない。安宅和人の『イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」』では、「特に仕事において悩むというのはバカげたことだ。仕事とは何かを生み出すためにあるもので、変化を生まないとわかっている活動に時間を使うのはムダ以外の何ものでもない」と述べられている。悩むことに時間を費やすのは無駄であり、仕事とは何かを生み出すためにあるのだ。

弟子: 確かに、悩みすぎると時間を無駄にしてしまいますね。さらに、自分を苦しめることにもなります。でも、人に頼ることも難しい。葛藤ですね。

師匠: その通りだ。ハイディ・グラントの『人に頼む技術』にあるように、「助けてくれる誰かを探しなさい。必ず、あなたを助けてくれる人がいるから。助けてくれる誰かを探すとき、そこには希望があるのよ」という言葉がある。人は本質的に優しい存在で、助けてくれるものだ。ということを一度、頭に入れておいた方がいいのではないか。さらには、「与えないときよりも与えるときの方がはるかに幸せな気分を味わいます。」ともある。人は人を助けることを喜ぶのだ。

弟子: 確かにそうですね。頼ることで自分の視点が変わり、周りの人にも幸せを与えることができるんですね。

師匠: そうだ。与えることは、与えないときよりもはるかに幸せな気分を味わえる。頼ることは、逆に人に幸福感を与えているのだ。自分にも、他人にも、良い結果を生む好循環を作り出す。そして、それが良い仕事につながるのだ。

弟子: 師匠、ありがとうございます。これからは、自信を持って頼ることを実践しようと思います。

師匠: その意気だ。頼ることは決して弱さではない。むしろ、強さと知恵の証だ。共に成長していこう。


結び

頼ることの美学を学び、自分も他人も幸せにする道を見つけましょう。この対話を通じて、私たち一人ひとりが頼ることの価値を再認識して、この社会を乗り切っていきましょう。幸せな生活のために。

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