日本史を学ぶなら前提から覚えようって話。

はじめに。

筆者である私は日本史が大好きで大好きで三度の飯に匹敵するほど偉人たちが歩んできた足跡や、そのついでに日本という国の伝統を愛している。
 
しかし思えば、自分が小学生~中学生の間で「歴史の授業が好き」という人は自分を含めてそんなに居なかった。

みんなの場合「そもそも歴史が苦手」、私の場合「日本史は好きだけど授業は苦手」ということである。でも日本史が好きなら、別に苦にならないんじゃないの?って思う人もいるだろう。

大人になってから気付いたんだが、「歴史の授業が苦手」になるのには大きな原因がある。歴史の苦手意識を改善するには、この原因を取り除く必要があるんじゃないかと思われるのだ。

歴史は「前提」から知ると楽しくなる?

初手で結論から言うと「歴史の授業」が苦手な人は「歴史は覚えゲーだから苦手」だと思っている。聞き慣れない人名やら出来事やらを記憶して空欄を埋めるという作業は想像を絶する退屈さだ。

逆に「日本史が好きな人」は、全員がではないが「覚えゲー」として考えていない場合がある。1人の人物、1つの事件。あらゆる事柄に対し「なんでこれがおこったのか?」という前提を知ってから考察している。つまり前提で興味を持って、前提を基に歴史を学んでいる。

「興味」から入るのは何事も当たり前のことなんだけど、これから学ぶ人に限られた時間の中で、この「興味」の段階へ引き上げるのがなかなか難しいところだろう。私は教員でもなんでもないのだが、この葛藤を思えば実際に教育者として子どもたちに教えている方には頭が上がらない。

前提から見る幕末

前提から日本史の事件を知ることと、授業でぼんやり得た日本史とでどれくらい視点が変わるのか比べてみよう。

ということで今回は最近人気な「江戸時代末期」を例にしていこう。

江戸時代末期、よく「幕末」と呼ばれている。歴史の授業ではこの辺、アメリカからペリーがやってきて鎖国をやめ、混乱でガタガタになったこと、そして「大政奉還」や「五箇条の御誓文」とかの名称などを軽く説明して終わる場合があると思う。

大事なところは抑えられているが、これ(出来事)だけだと詳しい情報が何一つわからないのが現実だろう。では、この幕末の前提とは何なのだろうか?

幕末の大前提は「革命運動?」

ペリーが黒船に乗ってやってきて、突然混乱が起こって幕府が潰れたみたいな書き方をした。この「混乱」について深掘っていこう。なぜ幕府で混乱が発生したのだろうか?

まず江戸時代の間は、厳しい鎖国を実施することで外国の影響を殆ど受けていなかった。外国人が普通にやってきてしまうと、生活がガラリと雰囲気を変えることになるのは想像に難くない。
鎖国は悪いことばかりではなく、最先端の大国に支配されるとか、金儲けのために都合よく使われるようなことはなかった。極論、アメリカは日本に「こいつら脅して金出させてみよう。そのあと攻めて支配しちゃうか」みたいなことを考えていたかもしれない。

日本も嫌な予感がしているので追い返したいが、技術力に差がありすぎて勝てる気がしない。ビビッた幕府は渋々、鎖国をやめようと思ったわけである。

この結果何が起こったかというと、やっぱり貿易でやたらと不平等な条約を結ばれてしまう。教科書にもある「日米修好通商条約」とか「和親条約」とかだが、これによって強い国々の金儲けに搾り取られる国になってしまった。物価もガンガン値上がりして、経済的にもズタボロにされてしまう。(昨日まで100円で買えたコーラが急に3,000円になったと思えば良い。俺はキレる)

これに怒った人たちが「幕府が頼りなさすぎる!幕府を倒して俺たちが時代を引っ張る!」みたいなことを言って暴れはじめた。弱すぎる幕府の人間を殺傷したり、殆どテロみたいな手口で嫌がらせをし始めたのだ。幕末時代の大半は、この革命運動が主役であると言えるだろう。
(この嫌がらせ程度だった抗議活動が少しずつ実って幕府が崩壊し、新しい時代に進んだというのは紛れもない事実である。)

見るからに悪者だけど勝ったから正しい

すごい端折るが、これがきっかけで260年くらい続いてきた江戸幕府は崩壊し、結果的に日本は近代化。侍が少しずつ消えて、カタコトの英語をしゃべってる明治時代がスタートする。
歴史の面白いところは、「覚えゲー」の部分である「大きな出来事」の裏には必ず人が築いた物語があり、今の自分たちのようにその場に生きていた人たちがいること。
事実、我々現代人はタイムスリップでもしない限りその人たちの歩んできた道はただの「物語」でしかない。この「物語」を、フィクションとして捉えてでも良いから知ってみる。どんな人生を歩んできたのか、まるで小説のように感情移入して追体験してみる。

これこそが、「日本史」なのだと思いたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?