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大晦日の格闘技の話。

2023年大晦日に「RIZIN45」を観に行った。
今年は僕の推しである朝倉海の大一番ということもあり、会場へ足を運んだ。
とは言ってもここ数年は2022の大晦日を除き殆どが朝倉海の大一番であり、彼はその全てを落とした。
2021年には実際に会場に居合わせた訳だが、彼は負け、悲しい年越しを迎えることとなった。
それ以降は彼も怪我の影響でなかなか試合ができず、僕の心から彼がフェードアウトしつつあった。
僕の応援心に火がついたのは彼が海外修行に行き復帰戦で見事KO勝利を収めた時であった。
そのひとつ後の大会また彼が試合予定だった為、真夏の祭典にも赴いたが直前でまた怪我に見舞われ結局欠場になってしまった。
そんな彼の大一番は、呪われているとすら言われる大晦日にスライドした。
ただ怪我を除けばとてもいい状態の彼を現地で応援しない手はないと思った。
そういう訳で同じく格闘技好きの同僚を誘い2度目の大晦日に参加した。
入職前の研修から格闘技談義で盛り上がる程の格闘技好きな同僚は心強い応援仲間である。
オープニングマッチから心震わす試合が幾つも繰り広げられ、気分は最高潮であった。
平本蓮、新井丈など応援してる選手には腹から声を出して歓声を送り自分の応援者としてのコンディションもバッチリで迎えた朝倉海の試合になった。
相手選手の軽量トラブルなどイレギュラーが立て込んでいたが、そんなことは関係なかった。
佐藤大輔の完璧な煽りV、何度も聞いた入場曲とともに現れる彼は最高の姿に見えた。
呼び出しがあり、いざゴングがなり色々なプレッシャー、業を背負って戦いに臨む彼はかっこいいと言う他なかった。
1ラウンド、一進一退の攻防を繰り広げ、顔から出血をする彼は勇ましく見えた。ゴングの後にも追撃をやめない相手に向けた怒りの表情は逞しく心強く思った。
迎える2ラウンド、お互いにステップを刻み何発も打撃が交錯する最中、朝倉海の右膝が相手のボディに突き刺さり蹲る相手にパウンドを振り下ろすとすかさずレフェリーが試合を止めた。
試合が止まるや否や兄の朝倉未来に抱きつき、笑顔を見せ、ロープにのぼりこちらに勝利の手を突き上げた。
自分を含む観客も総立ちで呼応し、送れる限りの歓声を送った。
彼が勝った瞬間に感じた安堵、感謝、「良かった、これで幸せに年が越せる」といった自分から出た言葉はほかの何者にも変え難いと思った。
一緒に観ていた同僚が買った瞬間の動画を撮っていたのですかさず、「俺を撮れ」と頼んだ。
普段は会場で写真すら殆ど撮らない自分だが、この瞬間だけは残しておきたいと思ったのである。
といった訳で無事2024年を迎えたのである。
ここで思い出されるのは、平本蓮がインタビューで言っていた、「選手の仕事は、客に学校や仕事に行く活力を与えることだ」という言葉である。
僕は間違いなく朝倉海から生活していく活力をもらっているし、これからも貰っていくのだろう。

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