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名古屋旅行・2・非現実

二日目(2023/06/18)

 Aはいつになったらアラームで起きれるようになるのでしょうか。しかしこの日は僕が起きる時間よりも遅いときに鳴らしまくっていたので大して嫌な気持ちになりませんでした。7時に起きては身支度をして読書までして、8時に宿を出発するのですが、僕らにしては早すぎる行動にこの日の夕方には少しばかりうんざりするのでした。


 朝食はカフェも兼ねているこの宿でとろうかと話していたけどモーニングはやっていないらしいと、諦めて名古屋城に向かいながら喫茶店を探すのでした。しかし開いている店は数少なく遠回りをしてやっと入った喫茶店はお城の北側、堀を半周してやっとモーニングにありつきました。その周辺は創価学会の看板がたくさんあって記念館たる建物もあったので僕らは少し興奮してあるきました。Sは、大学で宗教を学んでいるが、何を思ったのか顔がいつもより険しかった。モーニングは聞いていた通りトーストとゆで卵がコーヒー料金でついてきたので得した感があった。


 来た道を戻って名古屋城に入った。入った途端大阪城のある風景に似ていたのでそういうと、また別の名所でたとえるのかと咎められた。僕はある観光地を他の場所で例えるのをよくする。ただにているからそう言うのにSはどうしても腑に落ちないらしいし、もしかしたら一般的にはそうなのかもしれません。よくわからない金色の部屋に入ってはみたけど最後までなにか分からず出ました。そのときにSがサンクチュアリ・オブ・トゥルースみたいだと言ったので、ほれみろ誰でも言うのだと言ってやろうと思いましたが、気がついたら同意していました。


 またしても優柔不断な性格のせいで昼ごはんにありつくのにも一苦労といったところか、そもそもなんの計画もないのだからあるきはじめるのもおぼつかないのです。名古屋市役所をみて、地下鉄を使って古本屋へ行くのでした。今池でうなぎの料理を食べようとしましたが、ひつまぶしというやつです、高いし待つので結局となりの味噌煮込みうどんの店へ行きました。ひつまぶしには勝てなくても代用にしては悪くなかったです。結局ひつまぶしを食べることはなかったのですが、旅行なのだからそれだけの予算は用意してくるべきでした。店をでて古本屋に向かいました。その時からお腹の様子が怪しかったのですが、その後のことは言わずもがな、古本は楽しめましたがあえて行くほどでもありませんでした。


 僕の勘違いからトヨタ産業技術記念館は郊外にあるものだと思って避けていたのですが、お城の近くにありました。無計画の悪いところが出ました。というより、無計画なら無計画なりにその瞬間だけはちゃんと調べるべきなのです。ということで僕が個室に籠もって気張っている間にAとSがそこへの行き方を調べておいてくれました。今回の旅で最も面白かったのはこのトヨタ産業技術記念館の織機の数々でした。正直車の展示はマニアックで面白さに欠けており、これはSも同意でした。豊田佐吉の開発はどれも面白く、あとは職員の方の説明もわかりやすくて良かったです。これがなければもしかしたら面白さも半減していたかも知れないとおもいます。


 帰路にたち、一日の長さに少しうんざりしなくなったのももう夕ご飯を食べたら一日が終わる頃だったからです。この道中でハロハロを食べたけど大したことではないので割愛します。朝食べられなかったたまごサンドを食べてやろうと向かった店はもうすでに閉まっていて、どの店もそんな感じで、一度宿に戻って休息を取りました。Aは緑茶を飲んだようですが、水出し茶を横文字で言って粋な注文をしていたので、こいつは大人だと思いました。宿ではSが手に取ったパンフレットのラーメンを食べようとの話になりましたが、しかし結局はその店の途中にいい感じの食堂があったのでそこできしめんを食べました。無計画とはもしかしたら、何も決めないことではなくて、予定をどんどん変えていくことなんじゃないのでしょうか。その前にコロッケを食べたような気もしますが、そんな事も忘れて美味しくいただきました。コンビニでまたしてもAの奢りで菓子と飲み物を買い、今日を終えんと宿に戻ります。


 あとは寝るだけとは誰も思いませんでした。また始まった哲学会議で僕らの心はだんだん雲に覆われてゆきます。耐えきれなくなった僕は〇〇を提案します。渋々同意したのも僕以外はまだ半年ほど、〇〇の猶予を持っていたからです。僕も〇〇歳ではありましたがもうすぐ〇〇歳なのでよく気にしていませんでした。飲める飲めないの差もあるでしょうか。買って飲んだはいいものの僕らの心は晴れはしませんでした。日本の代わり映えのしない町並みと2泊という短さに現実を拭えないでいたのです。だからか昨日は日が回る前かその頃にに寝たのに、この日はだれも寝たがりませんでした。友人と僕は複雑なことを考えて寝れないというのは恐らくないでしょう。それだけ日々考えているので、寝るときよりむしろ明日が来ることを恐れるのです。そして知らず知らずのうちに過ぎ去った日々を憂いて、自分と向きあうのです。この夜で僕は少し変わった気がします。

(編集済み)

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