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ありたい姿を描くワークショップ

こんにちは!
ずいぶんと日が長くなってきましたね。
日中の日差しは暖かく、まだやわらかな春の名残を感じさせつつありますが、確実に力強さを増してきました。

週末は趣味のサーフィンを楽しんでいるのですが、波待ち中に波の音を聞きながら目を閉じ太陽の光を浴びていると、夏がもうすぐそこまで来ていることを感じることが出来ます。エネルギーに満ちた季節の到来は、私たちに新たなチャレンジと勇気を与えてくれますよね!

さて本日はタイトルにある通り、介護事業者向けに「ありたい姿を描く」ワークショップを2日間に分けて開催してきましたので、その様子を少しだけお伝えします。

まず経緯からお話しますと、あるクライアントさんの紹介で某介護事業所の社長さんとオンライン上でお会いすることことになったのですが、その面談で真っ先に出てきた言葉が、「職員同士が厳しいことも含めて本音で言い合える関係性となり、お互いに成長できるチームとなりたい」でした。。

一般企業にお勤めの方からすると、「え?そんなの大した問題ではないのでは?」と思われるかもしれませんが、介護業界の状況や背景を理解すると、クリティカルなイシューだということが分かってきます。

介護業界の労働実態について。

  1. 身体・精神的ストレス: 介護職は高齢者や要介護者の身体的な援助を必要とするため、肉体的に過酷な労働を伴います。また利用者の健康状態や死と直面することからくる精神的なストレスも大きいです。

  2. 低賃金: 介護業界は低賃金であることはよく知られていますが、これはつまり従事者側は厳しい労働実態と比較して報酬が不十分であると感じていることを意味しています。

  3. 人手不足: 介護業界では従業員不足が深刻な問題となっており、一部の職員が過大な業務負荷を負うことがあります。

  4. 教育及びトレーニング: 介護業界における教育や研修の機会は殆どないのが実態です。多くの事業者において十分なトレーニングを受けぬままに現場に出ることが多いです。

  5. 長時間労働: 休日出勤や残業も一般的ですし、労働時間外にも緊急時の対応が必要な場合があります。

これだけ過酷な労働環境で働いているわけですから、職員同士が本音で向き合ってコミニケーションできる時間を作ることは容易なことではありません。

加えて、多くの介護従事者は自分がスペシャリストであるという自信があります。なので他者の意見(フィードバック)をなかなか受け入れられない。踏み込んだ意見をすると最後は正義の戦いになり、どちらかが傷を負うことになる。その結果、すぐに離職してしまいます。

なので、なかなかフィードバックの文化を作ることは難しいんですよね。。

こうした背景の中で「ありたい姿を描くワークショップ」を開催する事になったわけです。

その中身を本日は少しだけシェアしますが、今回は心の健康、感情的なウェルビーイング、人間関係に焦点を当てた手法である「ハートビーイング」のセッションを設けてみました。

やり方は簡単。

ハートの中にプラスの言葉を、ハートの外にマイマスの言葉を書いていくのみ。

目的に応じて、次の2種類を使い分けます。

  1. これまで言われて嬉しかった言葉・態度(ポジティブ)

  2. これまで言われて嫌だった言葉・態度(ネガティブ)

用意するのは次の2つだけ。

  • 大きな模造紙

  • ペン

こんな感じです。簡単ですよね?笑 
オススメなのでぜひ皆さんもやってみてください!

このハートビーイングの目的は、職員同士のポジティブとネガティブを「見える化」することで、どんな言葉や態度が増えていくと職場の雰囲気が「ありたい姿」に近づくのかをお互いに目線合わせをすることです。それを日々の業務の中で意識することで少しづつ職員同士の価値観(組織カルチャーの醸成)が統一されていきます。

このセッションの後は、具体的に業務レベルに解像度を上げて「ありたい姿」のディスカッションを実施したわけなのですが、ワイワイ、ガヤガヤ、皆さん積極的かつ楽しそうに参加されていてとても印象的でした。

とはいえ、もちろんここからがスタートです。
このワークショップの内容を踏まえて、
職員同士が厳しいことも含めて本音で言い合える関係性となり、お互いに成長できるチームとなるために、どんな取り組みが必要なのかを管理者が具体的に考え、日々努力していくこと、それが「ありたい姿」の実現にむけた第一歩となります。

今後、超高齢化社会への突入で介護需要が高まっていく中、このまま労働環境が改善されなければ従事者たちは疲弊し、モチベーション低下を引き起こすだけでなく、サービスの質の低下が高まる可能性があります。そうなれば社会的弱者である介護利用者へのしわ寄せがいくことは免れないでしょう。しかしこれらは介護に限った話ではなく、医療も同様なのです。

こうした漠然とした危機感から、私は持続可能な地域社会の実現の為に今自分が出来ることとして、医療介護領域での人材組織開発の支援を開始しました。

決して簡単な話ではありませんが、何よりも従事者同士が未来志向で協力し、共通の目標に向かって努力していくことが、医療介護事業の発展と持続可能性を高める鍵だと私は考えています。

そして、その支援を通じて地域社会に貢献していきたいと思います。

結局、今日も長文になってしまいましたね。。
ではでは、今日はこの辺で。
最後までお読み頂きありがとうございました!









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