化学の力

ボクは、理系です

大学は、応用化学学科だし

卒業研究は、「2-2'ピリジルの光還元反応」

小学生のときは、時計、ラジオをすぐバラバラに分解した

中学になってからの数学の図形の

証明問題は、

なんて面白いパズルクイズなんだと夢中になって解いていた

ボクは、理系です

中学2の頃、本屋さんに行ったら輸入雑誌が置いてあった

理系のぼくは、英語が……ぜんぜんダメだった、けど

こういったモノから入ると

英語が出来るようになるのかなぁ~

と思っていくつかある輸入雑誌の中から

野球雑誌

と思われる1冊を手に取った

パラパラっとめくると

さすが外国の雑誌、金髪の方々の写真がいっぱい

しかも、流石スポーツ誌、みな自分たちの肉体をさらけ出すような

見事な裸

でも……野球雑誌なのになぜだか写真の全てが女の人

表紙には、ちゃんとプレイボールと書いてある

ボクは、英語が苦手だ

ボクは、この野球雑誌を買おうと

なけなしの小遣いをはたいて手に入れた

ワクワクして家に帰り

自分の部屋にこもり

その雑誌をめくると所々、マジックの落書きが

新品の雑誌なのに 何かを隠すかのように、マジックの落書き

知りたい欲の強い理系のボクは、自分の知識を振り絞り

たしかバターでマジックは、落ちるはずだと

家の冷蔵庫を開けて そこにあったマーガリンを指に付け、急いで部屋に戻り

そのマジックの部分をこすった

でもなぜか 消えなかった

ん?なぜだ!

あっ!これは、マーガリンだ ダメだバターじゃなきゃ

ボクは、家を出ると自転車を走らせ 近くのスーパーに飛び込んでバターを買ってきた

よしこれで!っと

こすった こすった こすった

消えない…

一生懸命こすった

するとだんだん薄くなっていったい

よし!来たぁ~

サラに強くこすった

すると白く白くなってきた

印刷のインクが消えただけだった

更に更に理系の知識を振り絞り

あっ!アルコールなら消えるのでは?

と親父のウイスキーを少々拝借し

なぜか、いつも手元にあるティッシュペーパーに染み込ませ

マジックの落書きの部分をトントンとんとんとリズミカルに叩く

消えない

こすってみる

消えない!

それから油、洗剤

何をやっても消えなかった

その染みだらけの雑誌は、ボクが高校を卒業するまで、ベッドの下に少年ジャンプと共に目立たないように置いてあった

いつか、マジックを消す技術を手に入れる

と夢を持って

そして大学は、応用化学学科に進んだ

ボクのやる気スイッチは、プレーボール

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