ノスタルジックな思い出

冬休みが、もう終わる

そうすると、バタバタの3学期、卒業式あったり、あっという間に皆、次の道へ

僕が、小学校6年生だった時

3学期の始まりと共に

引っ越して行った女の子がいた

元々、質素なファッションで目立つ女の子でもなかったし

3学期が始まっても、皆、気にとめることもなく

お年玉や紅白、隠し芸大会の話しで盛り上がっていた

彼女の事は話題にすら上がらなかった

僕には、その女の子から年賀状が届いていた

「今年もよろしく」って書いてあった

引っ越し先すらわからないのに

そして、もう会うこともないだろに…

「今年もよろしく」って

僕は、彼女に年賀状を送ってなかったので

年賀状返さなきゃと思ったけど

住所がわからない

いろいろ尋ねればわかったんだろうけど

面倒くさいが、先にたって

うやむやにしていた

彼女は、2カ月後、知らない学校で、知らない同級生と卒業式を迎えるんだ

思い出すら無い

ただ学校に行く通学路を覚えただけの小学校で

卒業するんだ

なんか切なくなった

あいかわらず同級生たちは

「紅白で百恵ちゃんが ポルシェって言ったよね!」なんて話題で盛り上がっている

そんな事を話す友達は、いますか?

喧嘩できる友達は、いますか?

泣き言を聞いてくれる友達は、いますか?

中学生になった最初のお正月、元旦の日に、彼女から

年賀状が届いていた

「今年もよろしく」と書いてあった

僕は、住所すら知らないので、もちろん出していなかった

その年賀状は、当時では、珍しく写真入りの年賀状だった

その写真は、豪華な家の前で華やかな格好で女の子は、家族と笑っていた

住所は、ロサンゼルス…

「あっ?金持ちだ」

僕は、急いで年賀状の返事を書いた

「こちらこそよろしくお願いします」と

なぜかその言葉は、敬語になっていた

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