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#019 日商簿記3級 仕訳問題対策「キホンver②」

こんにちは。独立公認会計士の奈須大貴です。

私は「会計リテラシー向上委員会」というYouTubeチャンネルにて、日商簿記検定3級の対策講義などを公開しているのですが、今回は簿記3級の中でもかなり重要な仕訳問題についての解説記事を書こうと思います。

今回は、「日商簿記3級 仕訳問題対策 キホンver②」ということで書いていきます。
前回の記事はこちらです。

問題→回答→解説の順序で記載していますが、
解説は、講義やテキストなどで基本的な内容を理解している前提での記載になります。
一度も、勉強したことがないという方は、市販のテキストなどで勉強してから、この記事の問題を解き、解説を読むようにしてください。
私が運営するYouTubeチャンネル「会計リテラシー向上委員会」でも、簿記3級の対策講義を公開していますので、そちらでの学習についても、是非、ご検討ください!!!
※チャンネルは、こちらからご覧になれます。

簿記3級の取得を目指す方々にとって意味のある記事にしていきたいと思いますので、当シリーズの最後まで、お付き合いいただけますと幸甚です!!!

では、やっていきましょう!!!
今回は、問題4~6です。

【問題4】
(1)大阪商事は、千葉商事から商品30,000円を仕入れ、代金は掛けとした。なお、引取運賃1,000円は現金で支払った。

(2)大阪商事は、埼玉商事へ商品50,000円を販売し、代金は掛けとした。なお、送料2,000円は現金で支払った。

【回答】
(1)
(借方)仕入31,000/(貸方)買掛金30,000
                           /(貸方)現金1,000
(2)
(借方)売掛金50,000/(貸方)売上50,000
(借方)発送費  2,000/(貸方)現金  2,000

【解説】
この問題は、商品売買にかかる当社負担の諸掛りの問題です。先方負担の諸掛りもありますので、そちらはテキストなどで確認しておきましょう!!!

(1)当社負担の仕入諸掛りです。
簿記の世界では、モノを取得するためにかかった諸費用は、そのモノの取得原価に含めるという考え方をします。
ですので、「仕入」の金額は30,000円ではなく、引取運賃1,000円を含めた31,000円になりますので、注意しましょう!!!

(2)当社負担の売上諸掛りです。
この場合、勘定科目は「発送費」を使います。
しかし、実際はそれ以外の勘定科目を使用することもありますので、試験では選択肢の中から最も適切なものを選んで回答するようにしてください!!!

【問題5】
(1)得意先に商品2,000円を売り上げ、代金は現金で受け取った。
(2)得意先に商品4,000円を売り上げ、代金は得意先振り出しの小切手を受け取った。
(3)売掛金6,000円の回収として、郵便為替証書を受け取った。

【回答】
(1)
(借方)現金2,000/(貸方)売上2,000
(2)
(借方)現金4,000/(貸方)売上4,000
(3)
(借方)現金6,000/(貸方)売掛金6,000

【解説】
こちらは、現金及び通貨代用証券の問題です。
簿記の世界では、通貨(硬貨・紙幣)だけでなく、通貨代用証券も現金として扱います。
通貨代用証券とは、金融機関ですぐに現金に換金可能なもののことです。
代表例として、以下の3つがあります。
①他人振出の小切手
②送金小切手
③郵便為替証書

これらを受け取った場合には、
「現金という資産の増加」として仕訳を行うことになりますので、必ず押さえておきましょう!!!

【問題6】
(1)現金の帳簿残高が3,000円のところ、実際有高は2,500円だった。
(2)(1)の不足額は、水道光熱費の計上漏れであることが判明した。

【回答】
(1)
(借方)現金過不足500/(貸方)現金500
(2)
(借方)水道光熱費500/(貸方)現金過不足500

【解説】
こちらは現金過不足の問題です。
苦手にする人が多いですが、考え方を理解すればそんなに難しくありませんので、しっかりと正解できるようにしておきましょう!!!

(1)現金過不足が判明した時の問題です。
現金過不足が判明した時には、実際の現金残高(実際有高)を「正」として、現金の帳簿残高を修正する仕訳を行います。
(帳簿残高を実際有高に合わせに行きます)
今回は、帳簿残高が実際有高よりも500円多くなっていますので、
帳簿残高を500円減らす仕訳を行います。
ですので、貸方に現金500円と記入します。
次に、相手(借方)勘定科目に現金過不足と記入することになります。
この「現金過不足」は、簿記の5要素のうち、いずれにも分類されないので、最後に記入するようにしましょう!!!

(2)現金過不足の原因が判明した時の仕訳です。
原因判明時には、まず、現金過不足が発生した時の仕訳の「現金過不足」を取り消します。
(1)で借方に「現金過不足」を記入していますので、今回は貸方に記入します。
次に正しい勘定科目を記入します。
今回、現金過不足は水道光熱費の計上漏れで発生していたということですので、「水道光熱費」が正しい勘定科目となります。
先ほど、「現金過不足」を貸方に記入していますので、「水道光熱費」を反対の借方に記入します。
厳密にいうと、そのように単純に考えるのではなく(原因が2つ以上ある場合に正解できなくなってしまいます)、「水道光熱費」の「簿記の5要素」は「費用」ですので、そのホームポジションから考えます。費用のホームポジションは左側で、費用の発生を仕訳に記入するので、左側(借方)に記入します。

今回は、これで以上となります。
日商簿記3級 仕訳問題対策「キホンver③」は、後日公開予定です。

最後に、私が運営するYouTubeチャンネル「会計リテラシー向上委員会」では、簿記3級の対策講義などを公開しています。
ご興味のある方は、是非、チェックしてみてください!!!

チャンネルは以下よりご覧いただけます。
http://www.youtube.com/@kaikeiliriterashi

「簿記の5要素」と「仕訳の基本的な考え方」の解説はこちら。 https://youtu.be/Mcs1YoqA4M8
例題を使って仕訳の基本的な考え方を解説している動画はこちら。 https://youtu.be/ELXZxrpHyRE

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