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キュンとしたこと

「きゅうりを買って来てほしい」
学校からも公園からも行ったまま帰ってこない小4の息子が、きゅうりを欲しがった。最近はどのお野菜も大変高級ですし。。。特にきゅうりは夏に家の畑で作るとどのように消費していいのか分からないほど採れるので、旬でもないきゅうりをわざわざ「買う」と言う選択肢が私の中になかった。


なのでしばらく忘れていた。


先日珍しくサッカーの練習からまっすぐ帰ってきたので、夕飯の買い出しに誘った。
「スーパーに買い物行くけど、行く??」
「行く行く!!オレ買って欲しいものあるんだよ」
ちなみにうちの地方の方言なのか「オレ↓」と語尾が下がる。いちごオレの「オレ」と同じイントネーション


スーパーにつくと一目散にどこかへ向かって行った。だいたいお菓子売り場かアイス売り場だし、彼の場合は呼べば来るのでそのまま自由にさせた。きっと欲しい物を取りに行ったのだ。。。。とカゴをカートにセットして「さぁ夜ご飯は何にしましょうかね」と気合を入れて野菜売り場に足を踏み入れたら、居た。
息子がいた。きゅうりを選んでいる。
「そういや、きゅうり欲しいって言ってたね」
「そうだよ、おかあさん全然買ってきてくれないんだもん」
彼は選んだきゅうりをカゴに入れて「お菓子の所にいるから」と行ってしまった。彼はやりたいことをやる派なのだ。


御飯時、なにやら息子がキッチンで何かをしていると思ったら、得意げにお皿を差し出した。ぶつ切りのきゅうりを塩昆布であえてある。
「オレ、ずっとこれが作りたかったんだよね」
ビールを飲んでいる私の前に、コトリとお皿を置いた
「はい、おつまみだよ」

ズキュウウーーーーーーン!!!
惚れてまうやろーーーーー!!!


何かで見て、これなら作れそうだと思ったらしい。
そんなこととも知らず、旬じゃないとか高いとか私の都合で、このようなご褒美を遠ざけていたなんて。やりたいことは必ず決行する息子でよかった。これが私だったら、作ろうと思ったことを忘れている。

一つ食べた。
きゅうりが大きく切られているので食べ応えがある!
でもすごく美味しい!
感動して味を噛み締めていた。
あともう一つ……


きゅうりがなかった。
ほとんどのきゅうりは息子の取り皿に。
美味しそうに頬張っている
かわいい


嬉しさと
ちょっと物足りなさと
ものすごい満足感のある
一品料理でございました。



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