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いつかのあの木を想う

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処女詩集
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2024年7月の記事一覧

懐う、頃

心地よい風が吹く
川沿いの路を
歩いていた
きみやあいつと
そんな
あの頃を懐う
何処までもつづく道を
ゆくときのような
希望と似ている
きみのわらうこえ
いまでも
昨日の聴いたように
おもいだせるのさ

あの頃は
まだなんにも知らなかったし
あの頃にしか
わからないことも
たくさんあったな
時の流れはまっすぐで
けっして
その流れに
逆らうことはできないと
そんなあたりまえのことに
気づいたのは

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きのうとおとつい

きのうかおとついか
忘れちゃったけれど
とっても とっても
すてきなこと
あったのさ

きのうかおとついか
憶えてはいないけど
とっても とっても
やさしいこと
あったのさ

きみが好きだって
話していた花が
やさしい夏の風に
揺れたのだ

きのうかおとついか
どっちかわかんないけれど
かなしいこと
くるしいこと
あったのさ

きのうかおとついか
ぼくは確かに生きていた
これからも あしたあさって

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