北海道新幹線の札幌延伸のメリットについて考えてみた

お久しぶりです!
2030年度末に新青森から新函館北斗間を結ぶ北海道新幹線が札幌まで延伸されるというニュースがたびたび取り上げられていますね。今回は、自分なりに北海道新幹線札幌延伸のメリットについて考えてみようと思います。

札幌延伸のメリット
①函館〜札幌間のアクセス改善による車からの需要転移
②青森〜札幌間のアクセス改善による青森県民の大都市移住の選択肢の増加
③ニセコ・倶知安エリアのアクセス改善によるリゾート地としてのさらなる活性化

こんな感じですかね....
では、①から解説していきますね!

まず①ですが、これまで函館から札幌までは特急で3時間半、高速道路で片道4時間20分という結構かかっています。料金は特急で片道8310円、高速道路は車種や利用区間によって変わりますが、大体片道6000円以上かかっています。
これが新幹線だと1時間半と大幅に短縮され、アクセスは圧倒的に改善されます。料金は多少高くなっても新幹線を使う人が増えることは間違いないでしょう。
ただし、デメリットも大きいと思います。函館から札幌が一気に近くなるため、これまで函館は札幌への人口流出が続いていましたが、流出がより顕著になる可能性が高いです。これまでの地方は大都市とのアクセスが改善されて以降、人口流出が一気に進み、大きく衰退しています。東北地方を見てみればわかることです。これ以上の人口流出をなるべく抑えるために、札幌と距離が近くなっても函館に若者が留まる、あるいは函館に来てもらえるように函館全体をこれまで以上にコーディネートしていく必要があると感じます。

次に②ですが、青森県とのアクセスが改善されるというメリットです。青森市から札幌まで実は結構時間がかかるんですよね....。青森市には青森空港がありますが、市街地から30分ほど離れており、さらに新千歳空港からも鉄道を経由して行かなければならず、結構めんどくさいんですよね。
これが札幌延伸によって一本でスムーズに行けることは非常に大きいと感じます。
さらに大きなメリットとして、札幌までダイレクトに行けることによって、青森の人が大都市に移住する選択肢に札幌が追加される可能性があることは大きいと感じます。4ヶ月程前にTwitterで以下の記事がバズったことを覚えているでしょうか?

青森出身の妻と熊本出身の自分とで「東京に出ること」の価値観が全く噛み合わなかったなこないだ

どういうことでしょうか?
簡単に説明しますと、熊本市から大都市に移住する選択肢は福岡や広島、岡山、大阪など比較的多く、西日本ではそこそこの規模の都市が多く、選択肢が多い。対して、青森市から大都市に移住する選択肢はほぼ東京一択であり、東京に出て行けないならどうにもならない。青森は閉塞感が熊本と全然違う、というものです。(青森市と県外地域との移動状況(2018)によると、転出先で最も多いところは首都圏には約1000人と圧倒。仙台市がある宮城県は428人、札幌市がある北海道は80人であり、青森市から大都市の移住先はほぼ首都圏一択ということが読み取れる。)

なるほどな、と思いました。実際に、東北地方の出身者は大都市に移住するとなるとほぼ首都圏一択である一方、西日本では比較的分散されていますからね。
しかし、青森市から札幌まで新幹線でスムーズに移動できると、青森市から大都市への移住先に、これまで首都圏と(仙台)だったところに札幌も追加される可能性が高いです。これは青森の人たちにとっては良いことではないでしょうか?大都市に移住する選択肢が広がる可能性があるわけですから。
ただし、函館と同様、青森も大都市と繋がることで今のままでは人口流出が拡大する可能性がありますからそこは留意して見たほうがいいと思います。なんか表裏一体の気もしますが。

最後に③ですが、北海道新幹線の途中駅の一つに倶知安駅が設けられます。隣接したニセコ町を含めてこの倶知安・ニセコエリアがアクセス改善によって大幅に化ける可能性があるわけです。
現在、倶知安・ニセコエリアはスキーリゾート地として外国人観光客から注目を集めています。オーストラリア人を筆頭とした富裕層の外国人が大きく増加しており、近年では海外富裕層が土地やコンドミニアムを購買する動きが殺到し、シーズンになるとまるで外国に来たかのような異国情緒に包まれることもあります。
そんな倶知安・ニセコエリアですが、実は日本人も移住する人が増えているらしく、このエリアで地域おこし協力隊制度を利用して移住した日本人が起業した人が増加しています。倶知安・ニセコエリアでは海外富裕層が多く、彼らをターゲットとした単価が高く、外貨を稼げるビジネスを行いやすいんだとか。総務省によると、2021年の地域おこし協力隊制度を利用してニセコ町内で起業した人数は18人と全国平均1.6人を大きく上回っています。
このような経緯で注目を集めている倶知安・ニセコエリアですが、アクセスが悪く、札幌から高速道路で2時間ほどかかります。これが新幹線ができることによって、札幌から25分、東京から4時間36分で行けるようになり、アクセスが劇的に改善されます。
ただし、ニセコエリアは外国人によって土地が買い占められているなど問題も多くあります。私が言うのもおこがましいですが、日本人による開発が増えていくことを願っています。

こんな感じですかね。とても長かったですが、最後まで読んでくれてありがとうございました!

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