エンゲージメントサーベイの選び方【自社に最適なサーベイを選ぶには?】
みなさんこんにちは。現役大学院生(産業組織心理学専攻)兼人事・組織コンサルタントのミナミです。
エンゲージメントサーベイを自社で実施しようと考えているが、
「自社でエンゲージメントサーベイを実施したいけど、色々ありすぎてどれを選んでいいのかわからない。」
「自社にあったエンゲージメントサーベイの判断基準が知りたい。」
こんな悩みをお持ちの会社も多いと思います。
本記事では、エンゲージメントサーベイを選ぶ際のポイントからエンゲージメントサーベイを実施する際のポイント、エンゲージメントサーベイの効果まで解説していきます。
そもそもエンゲージメントサーベイとは?
エンゲージメントサーベイとは、従業員のエンゲージメント(会社への愛着や仕事に対するやる気)を定量化・可視化するための調査のことです。
エンゲージメントサーベイは、会社・従業員の課題を明らかにし、適切な人事施策を行うために活用されています。
そもそもエンゲージメントについて知りたい方は以下の記事をご覧ください。
エンゲージメントサーベイを選ぶ際のポイント
エンゲージメントサーベイを選ぶ際には6つのポイントがあります。
1つ1つ解説していきます。
1.サーベイの形式
エンゲージメントサーベイの形式には、短期間に高頻度で行われ、少ない質問数で従業員の負担が少なく回答できるパルス型と、年に1回程度行われ、全社員が網羅的な質問に回答するセンサス型があります。
パルス型は、回答や結果分析の負担が少なく、短期間での変化を追いやすいため、調査から明らかになった従業員や会社の改善点をすぐに反映しやすいというメリットがあります。
一方センサス型は、回答や結果分析の負担が大きく、場合によっては回答率が下がることもありますが、従業員や会社の網羅的な情報を把握することができます。
パルス型、センサス型のどちらを選ぶかのポイントのひとつは「社員数」です。
センサス型は、「会社全体のスコアを出す」という特徴があるため、ある程度の回答数や社員数が求められます。
社員数100名を下回る会社の場合は、会社全体の傾向を出すのが難しい可能性があります。
2.サーベイの指標
エンゲージメントサーベイといっても、何を測定するかはそのサーベイによって異なっています。
測定指標には、以下のようなものがあります。
ワーク・エンゲイジメント
従業員エンゲージメント
従業員満足度
従業員のストレス
eNPS(職場の推奨度)
自社では、どの指標を測定したいのかを考慮してサーベイを選択する必要があります。
3.導入・運用費用
エンゲージメントサーベイは、自社で開発して運用すればコストはほとんどかかりません。
しかし、専門的な内容も含まれているし、分析方法なども難しい場合があります。
そのため、エンゲージメントサーベイをやっている会社に頼むのが安全・安心です。
導入・運用費用は月額料金や社員数1人あたりいくらといった料金設定が多いです。
費用をかければ成果が出るというわけではないので、費用もきちんと考慮しましょう。
4.従業員への負担度
エンゲージメントサーベイを実施するとなると、どうしても従業員への負担がかかってしまいます。
パルス型は質問数が少ないので負担も少ないですが、センサス型は質問数が多くなり負担も大きくなります。
また、いつ実施するのかによっても負担度が変わってきます。
極力従業員への負担が少なくなるように配慮する必要があります。
5.サーベイ実施後のサポート・コンサルティングの有無
エンゲージメントサーベイを提供している企業は、導入から結果分析、その後の対策までをサポート・コンサルティングしてくれる企業と、提供のみの企業があります。
サポート・コンサルティングの有無で料金も変わってきますが、初めてサーベイを実施するならサポート・コンサルティングがあった方が良いです。
導入後はサポート・コンサルティングを受け、自社運用できるようになればサポート・コンサルティングを解除するといった形でも良いです。
6.他社比較・業界比較が可能か
エンゲージメントサーベイがどれくらい他社・業界で使用されているのかも重要なポイントです。
選んだエンゲージメントサーベイが数多くの企業で導入されており、その情報が閲覧可能であれば、エンゲージメントサーベイを実施した際に自社内での比較だけでなく、他社比較・業界比較可能です。
他社比較・業界比較ができるようになることで、新たな自社の強み・弱みを発見することができます。
エンゲージメントサーベイを実施する際のポイント
エンゲージメントサーベイは、選ぶ際のポイントだけでなく、実施する際もポイントがあります。
実施するときに以下のポイントを押さえておかないと、効果を得られず、逆に従業員からの不信感を買ったりしてしまう可能性があります。
1.目的を明確にし、従業員に伝える
「最近、エンゲージメントサーベイ流行っているからとりあえずやっておこう」
「エンゲージメントサーベイよくわからないけど、やったら効果ありそうだしやっておこう」
このように意外と明確な目的がなく、エンゲージメントサーベイを導入・実施している企業は多いです。
繰り返しになりますが、目的があやふやなまま導入しても得られる効果は少ないどころか、従業員からの不信感が高まる可能性もあります。
自社でエンゲージメントサーベイを行う目的は何なのか、測定したい指標は何なのか、実施後にどのような効果を得たいのか、実施後にどのような対策を行おうと考えているのかといったことを明確にしておかなければいけません。
また、これらを従業員にきちんと伝えることも大切です。
いきなり「エンゲージメントサーベイやります!」といっても、従業員からすれば「何それ?仕事で手一杯なのに、調査?」となってしまう可能性があります。
エンゲージメントサーベイについて解説するだけでなく、実施する目的もきちんと伝えましょう。
2.継続して自社にあった頻度で行う
エンゲージメントサーベイは1回行うだけでは意味がありません。
従業員のエンゲージメント、ストレスは一定ではなく、常に変化するものだからです。
そのため、継続して行う必要があります。
しかし、サーベイを実施する頻度は自社に合わせて行わなければなりません。
エンゲージメントサーベイの効果
エンゲージメントサーベイを実施することによって、どのような効果があるのでしょうか。
主な効果は3つあります。
1.従業員の状態把握が可能
従業員のワーク・エンゲージメント、従業員エンゲージメント、メンタルヘルス、モチベーションなどの状態を会社が把握することができます。
エンゲージメントサーベイのスコアによって、従業員の状態に変化が見られた場合、1on1ミーティングや人事面談などの適切なフォローを行い、エンゲージメント・モチベーション・メンタルヘルスなどの維持や向上にむけた対策を実施することが可能です。
2.生産性の向上
エンゲージメントサーベイのスコアをもとに、人事施策の見直しや、サーベイで見つかった課題を解決するための施策の実施、コミュニケーション方法の改善、適材適所の人事配置などを行うことで、従業員の「働きがい」が上がり、生産性も向上します。
生産性が向上することによって、企業の業績が向上することにもつながります。
3.離職率の低下
エンゲージメントサーベイを実施し、エンゲージメント向上に向けた施策を実施することで、従業員の会社や組織に対する帰属意識が高まり、離職率が低下します。
また、エンゲージメントサーベイの結果から異変を感じた従業員に対して1on1を実施するなどして離職を防ぐこともできます。
まとめ
本記事では、エンゲージメントサーベイを選ぶポイントから実施するポイント、エンゲージメントサーベイの効果まで解説しました。
自社にあったエンゲージメントサーベイを選択・実施することが何よりも重要です。
導入を失敗してしまうと、エンゲージメントサーベイ自体が良いものであったとしても効果を享受できにくくなってしまいます。
自社に適したエンゲージメントサーベイを選びましょう!
では今回はこの辺で。最後までお読みくださりありがとうございました。