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【MTG】一万円ではないレガシー ~第1話~
ことのはじまり
カルロフ邸殺人事件のプレビューを見ているとき、一枚のカードが目に止まる。
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見慣れない常在型能力と3つの小能力でいわゆる奥義がないプレインズウォーカー。初見の時には「強くない!?墓地のエムラ追放して適当な宝物とか変身させれば勝ちやん」とマジで思ってしまった(ターン終了時までという一文を見逃していたしそもそもエムラは墓地に落ちない)。だがそれでも大好きなカードの一枚であるグリストを彷彿させるテキストを見て、デッキ組んでみようかな、と思ったのである。あろうことか「せっかくならレガシーで組もうかな…」と。
mtgの歴史の最下層、すべてカードが使用できるフォーマット、それがレガシー。私のような赤ん坊プレイヤーは憧れと畏怖のまなざしを向けるばかりであった。しかし、一年ぐらい前にある記事がちょっとバズっていたのを思い出す、
「別に高額カードがなくても、多少変なデッキでも気楽にレガシーを遊んでもいいんじゃない?」みたいな内容の記事だ。そうだ別にルールに違反している訳ではないし安いカードだけでも組んだデッキでもいい、よし俺も一万円レガシーに挑戦するか!
しかし、あの記事の筆者はmtgを15年プレイしていると書いていた。そしてどうやら普段からレガシーを遊んでいるようだ。それに対して私はレガシー歴0秒、カードに関する知識も全然無いどころかモダホラ2発売後にmtgを始めたマジック令和生まれだ。主戦場はモダンだがショップ大会には月に一度行くかどうか。こんな自分が一万円とかいう過酷な縛りの下でデッキを組んだらどうなるかなど火を見るより明らかである。
いやそうではない。たとえ初心者が紙束を持ち込んでも楽しめるのがレガシー、みたいなのがあの記事の趣旨のはずだ。私が小学生の時に使っていたデッキにサジット・アポロドラゴンは1枚しか入ってなかったがそれでもめっちゃ楽しかったし彼は生涯の相棒だ。このカードゲームの楽しさは10年経っても、mtgに舞台を移しても変わらないだろう。洗練されてないぐちゃぐちゃの輪ゴムデッキでもいい、一万円にこだわらなくてもいい、とにかくやってみよう。「なんで○○いれてないんですか?」と聞かれたら胸を張って「高くて持ってないからです」と答えよう。
そうこれはただただ下手なプレイヤーが、縛りでもなんでもなく知識不足からくる狭いカードプールで、高くて持ってないという理由だけで弱いデッキを持ち込みレガシーの海に飛び込む物語である。
デッキ構築
そうと決まれば早速デッキ構築、の前に紹介したい人物がいる
ホロライブゲーマーズ所属するバーチャルユーチューバーの猫又おかゆである。柔らかくて落ち着きのある声が魅力。それでいてリアクションは大きくメリハリが利いているしニコッと笑った時の無邪気でちょっと子どもっぽい笑顔はとてもかわいい。そして何よりおっ○いが大きい。
えっ?いきなり推しvtuberを紹介してどうしたって?いや、もちろんこれには理由がある。というのも私は普段デッキを考える時に自分の脳内猫又おかゆと会話し、相談しながら構築を進めている。よってこれからデッキ作りをするにあたって来てもらったというわけだ。
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おかゆ「もぐもぐ~おかゆ~。今日はあおいいん君のデッキ構築を手伝いにきたよ~」
早速だけどこの《幽霊の裁き、ケイヤ》ってカードどう思う?
お「4マナ初期忠誠値3のPWだね。まずはテキストを確認しよっか」
あなたがコントロールしているクリーチャーやあなたの墓地にあるクリーチャー・カードである1つ以上が追放領域に置かれるたび、あなたがコントロールしているトークン1つを対象とする。それらの追放されているカードの中からクリーチャー・カード1枚を選んでもよい。ターン終了時まで、そのトークンは飛行を持つことを除きその選んだカードのコピーになる。
+2:諜報2を行う。その後、墓地にあるカード1枚を追放する。
+1:飛行を持つ白黒の1/1のスピリット・クリーチャー・トークン1体を生成する。
–2:あなたがコントロールしているクリーチャー1体を対象とし、あなたでない各プレイヤーにつきそれぞれ、そのプレイヤーがコントロールしているクリーチャー最大1体を対象とする。その前者を追放する。それらの後者を追放する。
お「これの常在型能力を使って疑似的なリアニメイトをしたいってことだったけど、
1.事前にトークンを用意する必要がある
2.墓地のクリーチャーを追放してしまうため二の矢がない
3.そもそも4マナが重い
っていう弱点があると思うんだけどどうかな~?」
まあそれは確かにそうなんだけど、逆に考えると
1.前のターンからいるトークンならコピーになったときにアタックできる
2.追放で誘発するので一部の墓地対策に耐性がある
3.4マナのPWとして悪くない性能をしている
っていう点で十分取り返せると思うんだよね。それにリアニメイトのパッケージは《納墓》《再活性》+釣りあげたいクリーチャーで成立するから共存する余裕はあると思う。
お「なるほど~。じゃあリアニ先の大型クリーチャーの候補はあるの?」
もちろん。さっきも言った通りコピー変身はETBは誘発させないけど攻撃時誘発とか戦闘ダメージを通したとき誘発は使いやすい。ってことで《残虐の執政官》と《墓所のタイタン》が釣り上げ候補かな。残虐の執政官は普通に強いカードだし、墓所のタイタンはトークン生成ともかみ合ってると思う。戦闘ダメージなら《荒廃のドラゴン、スキジリクス》とかも考えたけどまずはシンプルに考えてみようと思う。
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お「おっきいクリーチャーはそれで良さそうだね~。トークン生成カードはどう?」
とりあえず《苦花》かな。軽くて毎ターントークン生成、重ね引けばビートダウンを狙うこともできると思う。後は間を埋めるカードとしてレガシーの安くて最強な《剣を鋤に》《暗黒の儀式》それとハンデスとかを入れて調整かな。アドバンテージ稼げるカードが少なくてジリ貧になりそうだけど……
お「ボブでよくな~い?」
よくねぇよ。ただでさえ苦花でライフ減るのに8マナのカードが入ってるデッキで《闇の腹心》はさすがに使いたくない。うーん、苦花とケイヤは除去されなければ長期戦できるし、《未練ある魂》とかでごまかそうか。
お「というわけでかんせ~い」
お「手札に来ちゃったおっきい子たちを墓地に送るために《集団的蛮行》を入れたんだね。《思考囲い》と《強迫》を散らしてるのには何か意味があるの?」
いや単純に3枚しか持ってないから。
お「えぇ… でもフェッチランドとかはちゃんと入ってるしサイドに《黙示録、シェオルドレッド》もいるね」
土地は資産だから実質タダだし、シェオルはセトブから当てたから500円だね。サイドは練り上げるも何もレガシー環境も自分のデッキの動きもわかってないからこれ以上考えるのは今は無理かな。なんにせよデッキは完成した!大会いくぞ!
お「次回、一万円ではないレガシー第二話。あおいいん死す!?デュエルスタンバイ!」
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