見出し画像

詩「痛む唇」


悔しい時
ギュッて噛んだり
寒い日の朝
乾燥して血が滲んだりしている
私の唇

痛い目に遭わせて
ごめんね
私も常に
しあわせって訳じゃないから

「薬用リップクリームを貸してあげようか?」
って言った
あの子の優しさが
心きじわんと沁みてくる
気持ちだけ受けとっておくね
気にかけてくれて
ありがとう

同じ唇で
悪態もつくし
平気で屁理屈を言うし
魔法の呪文を唱えるし
優しい言葉もポロポロ出てくる

矛盾してるよね
私って
大人になりたいのか 子供なのか

でも
それが今を生きている私だから
悪いけど
最後まで付き合ってもらうから

最新のヒット曲が
私の気持ちを代弁してくれている
その歌を大声で歌いながら

今日も向き合わなければいけない気持ちを
強烈に誤魔化してる

それで
世界を
自分自身を
知った気になってる

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?