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【連続増配の危機!?】花王(4452)業績推移まとめ

どうもCUSS(@CUSS3141592)です。

花王(4452)といえば日用品メーカーの日本トップ企業なので知らない人はいないですね。

そして花王は株式投資の世界でも連続増配記録の最長記録を持っている会社です。その年の1株あたりの配当金を去年より多く支払うということを34年間も継続してきました。

配当金を目当て株式投資をしていると、やはり減配や無配転落というのは怖いものなので、こういった連続増配企業に投資すると不労所得が増えていくことが期待できるので、安心して投資できるのですが、この花王(4452)についてはそろそろ増配を続けることが苦しくなってきているのではないかということを記載しようと思います。

※この記事では決算が発表された時期をベースに年を記載していますので、例えば2024年と記載しているものは2023年12月期の通期という意味です。


1. 売上高

まずは売上高を見ていきたいと思います。売上高は配当金とは直接関係ありませんが、ビジネスの規模を表すものなので、基本事項として押さえておきたいと思います。

以下の図では、青色の棒グラフが売上高を示しています。2020年の時点で1.5兆円だった売上高が少しずつ下がったり上がったりしながら現在はコロナ前の水準には戻りはしたものの、事業基規模拡大には至っていませんね。

オレンジ色の折れ線グラフで記載しているのは利益率になります。売上高として計上された金額のうち何%が純利益になっているかという収益性を示す指標として記載しています。図を見るとこの5年間一貫して悪化していることが分かります。

花王(4452)の売上高推移

2. 年間純利益

続いて、配当金の原資となる純利益についてみてみましょう。以下の図に各年の純利益の推移を示しています。

花王(4452)の純利益推

図を見ると純利益はこの5年間一貫して減少し続けていることが分かります。インバウンド需要が喪失したことや、中国での市場環境の悪化や、構造改革費用として資金を使っていることなどが原因として挙げられています。

中でも構造改革費用については費用として計画されている600億円が何に使われるのかという明確な説明がないことや、2018年に発表されたのに現在でもまだ終わっていないということから不信感も出てきていますね。

3. 自己資本比率

続いて自己資本比率です。過去からの推移をまとめると以下のグラフのようになります。棒グラフが純資産の額を示していて、折れ線グラフが自己資本比率を示しています。

花王(4452)の自己資本比率推移

利益率も利益額も年々下がってきているとはいえ、赤字にはなっていなくて毎年稼いではいるので、その分自己資本はしっかり「積み上げていて、自己資本比率も50%以上で安定して推移しているので、財務的には安定して経営されているといえそうですね。

4. 配当金

それではいよいよ配当金を見ていきたいと思います。花王(4452)に投資しようとする方で配当金に関心がないという方は少ないと思います。
以下のグラフに1株あたりの配当金の推移を示しています。

花王(4452)の配当金と配当性向推移

図から分かるように、というよりみなさんご存知のように毎年順調に1株当たりの配当金を増加させています。図では5年分だけですが、これを日本最長となる34年間継続しているというすごい企業ですね。一方、灰色の折れ線グラフで示している配当性向を見てみると、2020年の52%がだんだん上昇してきて2023年には83%となり、そろそろ苦しいなと思っていましたが2024年には159%と完全なたこ足配当になってしまいました。
来年もまた152円への増配が計画されていますが、純利益を増加させて配当性向を正常な値に戻すことができるか注目ですね。できなければ近く増配が途絶えることになりそうです。

以下の図は配当性向の推移を示したものです。

花王(4452)の配当利回り推移

配当性向は2020年から上昇傾向にあることが分かります。ただし、増配率自体はそこまで高いわけではないので、この配当利回りの上昇は配当金の増加ではなく、株価が下がってきていることが主要因ですね。

6. PER

次に割安度合いを見るPER(株価収益率)を見てみましょう。PERは純利益に対して何倍の株価となっているかという指標です。以下に過去5年間のPERの推移をグラフ化したものを示します。

花王(4452)のPEr推移

30倍程度の値で安定して推移していたPERでしたが、今年の決算で純利益が半減したことを受けて一気に60倍程度まで上昇しています。今の株価は純利益に対して割高ということになりますので、やはり純利益を増加させてPERも平常時の水準に戻しておかないと株価の更なる下落要因になる可能性もありますね。

7. PBR

次に同じく割安度合いを見るための指標であるPBR(株価純資産倍率)をみてみたいと思います。PBRは1株あたりの純資産に対して何倍の株価になっているかを示す指標ですね。以下のグラフにPBRの推移示します。

花王(4452)のPBR推移

年々下落していくトレンドにありますね。純資産は少しずつではあるものの積み上げてはいるので、この下落は純資産の増加よりも株価の下落の方が早いため、その比率であるPBRが結果として下がっているこということを示していますね。

8. ROE

最後に収益性を見るためにROE(自己資本利益率)をチェックしておきます。これも同じように過去5年間の推移をグラフ化しました。

花王(4452)のROE推移

ROEもほぼ毎年悪化していくという下降トレンドを描いていますね。いろいろな指標から総じて収益力が低下しているということが分かってきますね。何とか来年(2024年12月期)は利益を改善して余裕を持って配当できる企業に戻ってほしいものです。

以上、花王(4452)の2024年の業績のまとめでした。

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