大失態の影に隠れた、東京電力の偉業 ~東日本大震災~
東日本大震災から11年。
もう、それほどの時間が経ったのかと驚愕します。
今回は、理系の技術者として見た、東京電力の東日本大震災時の対応について書いていきます。
1.東京電力が行った失態と偉業
まず大前提として、東京電力が原発事故についての情報を隠したことは、許されざることです。技術者倫理に基づき、必要な情報はすべて国へ提出し、最悪のシナリオを含めて情報共有をすべきだったと思います。
ただ、東京電力は東日本大震災が起きたあの日、最も重要は仕事をやりとげていることを知ってもらいたいと思います。
それは、あの未曾有の大震災の中で、電気の供給を止めなかったことです。
これは、とてつもない偉業だと思います。
2.前提「電気が使えること」は当たり前ではない
おそらく、この記事を読んでいる方々の多くにとって、電気とは「家に帰って、スイッチを押せば自然と点くもの」だと思います。もし、家に帰って電気がつかなければ、「なぜ電気が点かないんだ!」と怒り出す人もいるかもしれません。
しかし、この「空気と同じくらい当たり前に電気が使える」ということが、人によって常に作られ、維持され続けているインフラであることを忘れないでいただきたいのです。
3.あの日、東京電力が行った偉業
ここからは、技術者として見た僕の想像ではありますが、あながち間違ってはいないことだと思うので、その前提で読んでみてください。
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東日本大震災が起きたあの日、東京電力は電気を供給し続けました。
東京の電力を賄う福島原発からの電力供給はストップしたことは、すぐに分かったはずです。それでも、電力供給が止まれば、国としての機能事態がうしなわれてしまいます。
代わりとして火力発電所の発電を上げてカバーし、中部電力などの電力会社へ依頼して電気を送ってもらうなどの対応を行います。
それでも、電気を送る流通網もズタズタで、様々な地点で不具合が起きていたはずです。そんな中でも、なんとか電力供給が可能なルートを割り出して、電気を送り続けたのだと思います。
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4.さいごに
「感謝」の反対は「当たり前」だという言葉を聞いたことがあります。
電気が使えることは当たり前すぎて、気が付かないことかもしれません。
しかし、この記事を読んだ方には、東京電力が大失態をした裏で、とてつもない偉業を成し遂げたことを知っていてほしいと思います。
「東日本大震災が起きたあの日、東京電力は電気を供給し続けた」
これがいかにすごいことなのか、考えてみてほしいと思います。
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