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【続いてる写経 862日め】〜推理小説を読みたくない理由

箱根旅行中に持参した本を読み終わってしまい、手持ち無沙汰に。
夫が今回はやたら本を持っていたので、その中から一冊拝借しました。
大人気作家・松岡圭祐さんの『écriture 新人作家・杉浦李奈の推論』。

ワタシはこの手のエンタメ推理小説は、危険なんであまり読まないのです。
というのも、面白くてハマりすぎてしまい、先が気になってどんどん読み進めてしまい、寝る前に読んでいたら、朝が明けることもしばしばなので…。

松岡さんの本はこれまでは『探偵の探偵』だけしか読んだことなかったです。あっちはかなりダークな印象でした。
この話はラノベ新人小説家の杉浦李奈が、雑誌で対談した人気作家の贋作事件に巻き込まれて、事件のノンフィクション執筆を手がけることに。
引っ込み思案の性格ゆえ慣れぬ取材に苦労しながらも、現場検証や推論を重ねていき、ついに真実に迫るというもの。
この犯人は予想つきませんでしたわ。
後半の種明かし展開がちょっと急で、いかに読者の予想と違うところに着地するかを逆算しているかのようでしたね。
ただ、事件の解決だけでなく、主人公の成長物語が軸にあるので読後感が良かったです。

また、出版社が実名で描かれているのが、人気作家さんならではの技ですかね。出版元のKADOKAWAだけでなく、講談社とかも実名。編集者さんと小説家さんたちの関係や、小説執筆現場の厳しい実態も描かれてます。

驚いたのは、小説の出版は本が出来上がってから契約が交わされるという事実。何ヶ月もかけて書いた小説が、本となって世に出る土壇場まで権利の保証がないとは。
大御所の売れっ子作家になれば扱いは全く違うのでしょうが、新人のラノベ作家である主人公には、日々金銭的な苦労もつきまとうのです。

また推理のヒントとして、芥川龍之介や太宰治などの文豪のエピソードが差し込まれており、文学論も学べてなかなか勉強になりました。

2作目まであったので、そちらも読破。こちらは大御所作家さんをモデルにしている話で、本人怒らないかな…と気になってしまいました。

先ほど公式HPで見たら、このシリーズは現在6巻まで出版済み。
しかも刊行のスピードが”2ヶ月ごと”なんですよ。
このクオリティで一冊約2ヶ月で出版できるほどに仕上げるとは。しかも合間に他のシリーズも書かれている…。

一体どんな手法を使って書いとるんじゃい?

そう言えば、松岡さんって『小説家になって億を稼ごう』って小説の書き方指南署を書かれてました、

創作の秘密はそこにあるのかな?
他のシリーズ小説も気になるけど、こっちの執筆秘密を明かしているらしい内容も気になりますな…。
下手すると、”億”稼げるようになっちゃうかもしれませんしね、ふふふ…。



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