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【続いてる写経 778日め】〜女帝、ドラマありすぎ

『天平の甍』をおさらい以降、ふたたび井上靖先生の小説にはまっているのでした。
小説にもかかわらず1ヶ月で『額田王女』、『おろしや国夢酔譚』と2冊しか読めてないのでした。

昔の小説は、1ページの文字数が多くて、しかも1冊長いんですよ。
情報量も多いからなかなか読み進められないのでした。

『おろしや国・・』は、江戸時代に遭難した伊勢回船の船頭、大黒屋光太夫とその仲間の漂流譚。

天明2年(1783年)、光太夫一行は、伊勢を出港後、台風に見舞われ、太平洋を漂流。
7ヶ月後にアリューシャン列島に漂着し、陸地に上がれたものの、厳しい環境下で仲間がどんどん亡くなっていきます。
その後カムチャツカ半島から、オホーツク、イルクーツクとシベリアを横断、最後にはサンクトペテルブルクまで赴き、当時のロシア帝国君主・エカテリーナ2世に謁見し、帰国の嘆願をするのです。

主人公の光太夫は、当時彼に実際に出会った人物(フランス人探検家のれ赤プス、博物学者のラックスマンら)が残した記述からも、礼儀正しく、勤勉で毅然とした立派なリーダーだったことが伺えます。

が、今回気になったのはエカチェリーナ2世について。
最近ハリウッドでエカチェリーナ2世を主役としたドラマをやっていて、主演はエル・ファニング(大きくなったなあ)。シーズン2まで制作済みとか。

それだけネタにできる人物なの?
と思ったら、『おろしあ国・・』内でも紹介されていたエカテリーナ2世の出自と功績。

まずはエカチェリーナ2世は、もとはロシア人ではなく、生まれはドイツ。
ロシア皇帝ピョートル3世に嫁いで、ロシア正教に改宗し、ロシア人となったのです。
このピョートル3世というのが、ちょっと知恵遅れだったらしく、結婚当初から不仲。
エカチェリーナは愛人関係のあった貴族たちとクーデターを起こし、自ら帝位につきます。
その後即位してからも、美男子を次々に愛人にしたということです。

ここまでで十分、ハリウッドのドラマに仕立て甲斐がある内容ですね。

一方、外交手腕は秀でていて、エカチェリーナ2世の治世は領土拡大捗々しく、ポーランドの大部分をロシア領とし、2度の露土戦争(対トルコとの戦争)でも領土を広げます。

この露土戦争で、トルコから割譲した場所が、今のウクライナ、そしてクリミアだったのでした・・。

そうだったんだ、エカチェリーナ2世の治世からだったんですねえ・・

現在の火種はここからか。

スキャンダラスっぽいハリウッドドラマも、また見る目が違ってきそうな気がします。。


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