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【続いてる写経 441日め(楷書)】〜『鳥獣戯画展』のひろいもの〜

念願の東京国立博物館『鳥獣戯画のすべて』に滑り込みで行ってきました。
甲乙丙丁まである「鳥獣人物戯画」ですが、これが一挙に全巻観られるのは史上初!

あの広い国立博物館・平成館を贅沢に使った展示で、大人気・超有名な甲巻は動く歩道に乗って見るという趣向でした。
これすごく賢いです。右から左に動いていき、絵巻物の特徴を捉えながら鑑賞が可能、かつ、人の滞留を許さないシステム。

数年前の顔真卿展『祭姪文稿』の時は、ノロノロ歩いてたら係の人にせっつかれましたから。。
誰もが同じ時間しか見ることができないという、平等なシステムです。

とは言え、他の巻は通常通りの展示なため、列がトグロを巻いて大変でした。でも甲巻以外はあんまり興味ないんだよねえ。。
ということで2回エレベータに乗って鑑賞してしまいました。

今回の展覧会、今や悪者、リモートワークやデジタル社会の敵とされている「ハンコ」の歴史的な重要性を感じました。

評判が高かった「鳥獣人物戯画」は部分的に切り取られて散逸があとを絶たず、現在京都の高山寺で保管されている巻も完全なものではないとのこと。
今回の展覧会は、模写本や断簡という切り取った部分も一緒に展示。さらにそれらから類推される、本来あった姿がパネルで再現化されてました。

散逸を防ぐために考えられたのが「ハンコ」押すことです。
「高山寺」のハンコを、巻物の紙の切れ目に押すことで、割印としたわけです。これで歴史的、芸術的価値がある作品が守られてきたのだから、「ハンコ」の果たしてきた役割は重要だったわけです。

デジタル認証うんぬん、、今整備化急がれてますが、結構これが面倒くさい。。
ある手続きでは、どこどこの団体の(おそらく天下り系)、何とかと言うシステムのタイムスタンプを用いること!とか決められてたり、その結果、一度タイムスタンプを押すと修正もままならない、という使いにくさがあったり。。
結果導入見送りましたもん。

実は紙印刷して、朱肉つけてハンコ押すって、簡単でいいのよ。意外と。
朱肉のもつ「赤色」も注意を惹きますしね。
(規模が大きい会社なら、話はちょっと別でしょうけどね。。)

と、改めて歴史的視点から「ハンコ」の意義を考える機会となりました。

あともう一つ拾いものは。。明恵上人の仰天エピソードでした。
長くなったのでまた次回。


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