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【続いてる写経 1505日め】『空海展』、空海さんは大日如来なの❓と言った友人は偉かった

御生誕1250年記念・奈良国立博物館の『空海』展

開場前は列。中の混雑ぶりは予想できましたが、修学旅行生や、団体旅行かと思われる人々も居て、ごった返しでした。
とは言え、最前列で鑑賞する人の列の長さは、トーハクほどではなかったです。やっぱり東京の混雑ぶりは半端ない…。

展示品は、昨年の香川県立美術館の「空海」展、高野山霊宝館の展示と被りも多かったのですが、そこは”奈良”国立博物館。
さすがは仏教伝来の地。一味違いました

「空海」さんの生涯、「密教」について、仏像、絵画、経典、書など多面的な展示内容と、丁寧な解説で、鑑賞者の理解が進むような工夫がなされており、見応えありました。
3時間かけましたが、もっとじっくり見たかったです。

ありがたかったのは、「子ども向け」解説が充実していたこと

特に密教の胎蔵界と金剛界曼荼羅についての解説は、この上なく分かりやすかったです。

漫然と曼荼羅を鑑賞するのではなく、どの部分にどんな仏様がいて、どんな役割を担っているのか、ようやく細かい部分の理解が進んだ感じです。

よくよく鑑賞したら、十二天のうち、日天、月天、地天、風天が四隅にいたり、不動明王などの五大明王様、千手観音様もいらしたり、、
ちゃんと前日参拝した神呪寺や道明寺、葛井寺でお目にかかった仏様たちとも繋がってきた

するとますます楽しくなってきて、曼荼羅すごい〜〜、見飽きない〜。
と、気づけば最初の一室の両界曼荼羅と五智如来様の鑑賞でかなり時間かけてました。

一般向けの解説だけでは、たぶんここまでじっくり鑑賞しようと思わなかったでしょう。

他の展示で珍しかったものは、密教伝播の海上ルート上、インドネシアで発掘された青銅製仏像群
日本の仏像よりは、タイなどで見られる仏像に近く細い肢体でエキゾチック。組まれた手印は密教の仏様であることを表していました。

この修復の様子を伝えるビデオによると、携わったのは”元興寺”の文化財研究所の職員の方でした。

元興寺、直前にご参拝していたので、その名が出たのにびっくり!
文化財保存技術に一日の長があるのですね。

他の目玉は修復後初公開となる、神護寺所蔵の「高雄曼荼羅」
金銀泥で描かれているため、その線は見づらいのですが、アートスコープを通して見ると黒地にキラリと細く金色に浮かぶ仏様群が美しく感激

そして、毎回これを鑑賞しにきていると言っても過言でない、
空海さんご真筆の書

今回お目にかかれたのは「金剛般若経開題残巻」でした。

書は、書いた人の息遣いを表す。
勢いある文字を追ってると、時々心臓止まるかのようです。
得体の知れない、ものすごいエネルギーを感じます。

ああ、これの前にずっと居たいわ。。

もう一つ初めてお目にかかったものに、伝空海筆の掛け軸「崔子玉座右銘断簡」というのがありました。

断簡なので、何かのほんの一部が表装されているのですけど、うむ、これは空海さんの字と思います。
あくまでもワタシの見立てですが、ご真筆とされる文字とすごく似た傾向を持っているのです

いいもの観れた。嬉しい。

ところで、鑑賞中に一緒にいた友人が、「空海さんって大日如来なの?」と天然の質問を投げてきて、
その時は「大日如来は密教の最高に偉い仏様」なので、同じではないと思うよ、と回答してました。

が、最後のほうに出てきた絵巻ものに、弘法大師が大日如来にその場で変身した話が出てきたのです!!

空海=大日如来、正しかった(ある意味で)。

そうですよね、空海さんがいなければ、大日如来様も日本人に伝わらなかったわけです。
大師信仰、現在も連綿と続いているわけです。
ま、ワタシもその一人ですね。

奈良まで出向いた価値は十分ありました。
前期展示も観たかったな。。

なお、展覧会図録には子ども向け解説が収録されていないのが残念でしたが、なんとホームページで、
・鑑賞ワークシート
・曼荼羅(金剛界・胎蔵界)の解説シート

がダウンロードできる!!

密教の曼荼羅の分かりやすい解説としてはうってつけ。
PDF、いつでも見られるようにしておきたいです。


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