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【続いてる写経 870日め】〜チョウザメは”サメ”じゃない

食に関する名エッセイ本として紹介されていた、ロシア語通訳者の米原万里さんの『旅行者の朝食』を読んでいます。
米原さんの本は面白いと聞いていましたが、噂どおりとおーっても面白いです。鋭い観察力と、細かい分析ユーモアがたまりません。

まだ最初の数エピソードしか読んでいませんが、どれも興味深く知らない事実がてんこもり。そもそもタイトルになっている「旅行者の朝食」が示すものからして、ロシア人の面白いのです。

それは今回は置いといて、いかに自分が無知を放って生きていたかを知った事実はキャビアのエピソードでした。

キャビアと言えば、高級食材の代名詞で、”黒いダイヤ”と呼ばれることもあります。キャビアは”チョウザメ”の卵の塩漬け。

日本で”チョウザメ”と呼ばれるのは、大きな菱形の硬鱗が5列に並んでおり、その鱗が蝶の様な形をしているところと、その姿が”狭眼(さめ)”、つまり魚の眼が体に比して、いたって細く小さいことから命名されたのだそうです。
https://www.maruha-shinko.co.jp/uodas/syun/98-chozame.htmlより)

従って、いわゆるジョーズのサメとは全然違う魚でございました。
チョウザメは約3億年前から存在した古代魚の一種で、シーラカンスと同じ世代の魚なんだそうです。

生息地は主として北アメリカ、ロシアの沿岸の河川・湖沼淡水域~海域で、産卵時は河川に遡上するとのこと。その辺はサケに似てますね。

ただ、サケと決定的に異なるところは、サケは1度産卵すると生涯を終えてしまうのに対し、チョウザメは何度も出産できるんですって。

しかも、正中線に沿ってお腹を割いて、卵を取り出した後、縫合すれば元通りになる。切開部分が小さければ、縫わなくても水圧でお腹が閉じて、翌日には元気に泳いでいるのだそうです。

さらに驚いたのは、チョウザメめちゃくちゃ長寿らしく、100年生きたものもいるらしいです。

本当か?

この手の100年生きたって、その100年誰がちゃんと観測したんだろう?といつも思うけど、、。

ただ長寿であることは間違いなく、そのためかメスが最初の産卵するまで10年かかるのだそうです。なのでチョウザメの養殖も10年スパンで考えなければならないようです。

ここまで書いていたら、チョウザメって、”人間くさい”存在ですね。
出産まで年数かかるけど、何度も出産できるし(個体差はあるけど)、お腹切って赤ちゃん取り出すこともあるし。基本は長寿だし…。
魚類にしては親近感。

肝心のキャビアについては…あれ単体で食べて美味しいのか、よくわかりません。ウオッカと合わせると絶品とか言いますけどね…。

絶品キャビアを食べたいかと言うと、ここまでのチョウザメエピソードと、取り出し動画を見ていたら、お腹いっぱいになりました。


ワタシは”黄色いダイヤ”の数の子が、良いなあ。

金色押し。

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