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【続いてる写経 1063日め】〜女優さんがすごかった『アンナ・カレーニナ』

というわけで、宮沢りえさん主演の舞台『アンナ・カレーニナ』を観に行ってきました。

開幕とともに、主演のアンナ役、りえさんが静かに登場。

19世紀ロシア風のドレスに身を纏い、堂々たる風格。白い肌がひときわ輝き、一気に目を奪われました。
その誰もが魅了されずにいられない美貌は、まさにアンナそのもの

『アンナ・カレーニナ』をイメージして描かれたという説がある、イワン・クラムスコイの《忘れえぬ女》のイメージです。

《忘れえぬ女》1883年 イワン・クラムスコイ トレチャコフ美術館蔵

絵の女性よりもさらに麗しいかも…。
アンナは黒髪という設定なので、違和感もなく、少し翳りがある雰囲気が、また合っているのです。

もうこのアンナの存在だけで、舞台は半分成功しているかも
話が進むにつれ、狂気にかられるアンナの演技、鬼気迫るものを感じました。

アンナともう1人の主役となる地主貴族のリョーヴィン側のお話は、対照的にどんどん明るくなっていき、2部では場内が笑ってしまうような掛け合いも。

リョーヴィンの相手となるキティは、原作では可憐なイメージの女性ですが、この舞台のキティはどちらかというとコメディエンヌ的な要素が強かったです。

深刻になり過ぎないような配慮なのかもしれません。

あまりにも両極端になっていくアンナとリョーヴィン両者の世界を繋ぐ存在が、ドリー。
ドリーはアンナの義理の姉で、さらにキティの姉。
2人からの相談を引き受ける役割を担ってました。

このドリー役、大空ゆうひさんが白眉
この方の存在感と、観るものに的確なイメージを想起させる、セリフ回しのうまさ。
ドリーが自らの人生とやるせなさを語る、抑え気味ながらも、感情を揺さぶる独白のシーンには惚れ惚れしました。

全然予備知識なく観たのであとで知ったのですが、大空さんは宝塚の宙組トップの方だったのですね!
通りで衣装姿も着慣れた感じだし、似合っているし、風格あるわけです。

やっぱりヅカのトップはすごいのだ…。

一度コロナで上演が流れたこの作品、アンナとドリー以外は総入れ替えで、今回のキャストとなったよう。

大空さんのドリーが居ないと、物語世界が構築しきれなかったと思います

対して、男優さんたちは役柄的にはそれぞれはまっていらしたのですけど、
アンナの相手ヴロンスキー役の渡邉さんとか、カッコ良かったですけど、

アンナとドリーが凄過ぎて、印象が薄れました…。

すごい演技を生で観ると、やっぱり演劇いいねえって思います。しみじみ。

なお、今回チケットを、おけぴというチケット救済サービス経由でチケットを入手。

それがとっても良いお席を譲っていただいたので、ほぼ舞台からど真ん中の位置でした。譲ってくださった方、ありがとうございました!


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