【白井未衣子とロボットの日常】1・正夢の日 《9》 カレーポーク 2023年7月19日 12:36 ※予告なく変更のおそれがあります。※設定上、残酷な描写があります。アレックスは焦りを感じていた。操縦席のレーダー反応には、敵機を示す赤い光が点滅を繰り返すだけである。もちろん、仲間の武人を示す青い光も点滅しているが…問題はその距離だ。2点の光は近接した途端、赤い光が青い光から遠ざかるではないか。赤い光が向かう方角は愛嬌湾。(湾上だったら、被害は最小限に抑えられる。本部からのAI射出も可能だが…。)アレックスはレーダー上の青い光が気になっていた。だが時間は止まらない。青い光もようやく動きを見せた。「!?」青い光も愛嬌湾へ向かっていた。しばらく経つと、アレックスのヘッドホンに通信が入った。『よお!』「遅かったじゃないか!」『悪いなあ、逃げ遅れた人らを助けてたんや。ほら。』操縦席のモニターが切り替わる。映るのは…黒いボディに赤のラインが入った人型ロボと、両手に乗る3人の子供達だった。☆☆☆男の人が差し伸べた手を、私達は自然と掴んでいた。兄妹3人、しかも和希兄ちゃんは大人の仲間入りとも言える身長はある。それをもろともせず、彼は全員背負って、一気に飛んだ。上空へ出た瞬間、男の人の身体が光り出した!わからない内に、私達はロボの両手の上にいた。全身真っ黒な、さっきの敵のロボと同じ高さのロボ。でも所々に赤のラインが引かれていて、さらにラインは光っている。ロボの両手は黒ではなくグレーの色だが、関節部分と似たような色味をしているので、違和感を感じない。雲が漂う上空を、私達はただ眺めていた。雲の隙間から、濃い青色が見えた。愛嬌湾の波は穏やかだった。先に敵のロボが向かっていた筈だけど。男の人…黒いロボがしゃべりだした。『今から、すごいもん見せたるな?』黒いロボは私達からある方へ視線を向けた。SFに出てきそうな、大きなシャトルが飛んでいた。☆☆☆「その子供…まさか。」『頼みがあるんやけど、ジェット機を3つ、ここまで飛ばしてくれへん?』「子供は論外って言っただろう!?話を聞いてないのか!」アレックスは怒った。襲撃前の会話で彼はジェット機のパイロットの条件をあげていた。隣で武人は聞いていた。武人の行動を見るに、自分の条件を適当に聞いていたんでは、とアレックスは思った。『敵は1匹だけや。最初はオートでええ。この子らに体験してやろうかなぁって…』「遊んでるんじゃないんだこっちは!子供達をシャトルに降ろしてお前がやれ!」仲間の提案に彼はイライラしていた。しかし、武人の考えは曲げなかった。代わりに、約束というお願いを請うた。『時間はあれへん。あと10分したら、敵は攻撃しよる。そう俺が塩を撒いたからな。』「…公園でも、市内でドンパチは原則禁止だからな…。」誘導自体は間違っていない、とアレックスは認めた。「だがそれとこれは話は別だ!許可しないからな!」『指揮は俺がとる。どっちにしろ、単独でも攻撃しよる。この子らの初陣には今がチャンスや。』モニター越しの黒いロボの視線は真正面に向けられている。武人の真剣さがひしひしと伝わってくる。『責任は俺が取る、って宗太郎にも言った。適任者はこの子らしかおれへん。この通りや。』アレックスは静かに、操縦席のあるスイッチを押す。すると、水・黄・ピンクの三色の四角いスイッチが、アレックスの右手に現れた。「どうなっても、知らないからな!」 ダウンロード copy #つぶやき #妄想 #まとめ #創作1 #ミコロボ この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? 記事をサポート